地域を代表する顔ぶれ 一堂に
「地域未来牽引企業サミットin新潟」
3月16日、新潟市で「地域未来牽引企業サミットin新潟」が開かれた。2018年4月の福島県会津若松市、同年7月の熊本市に続く3回目の開催。当日は午前中こそ冷たい雨に見舞われたが、開催時刻に合わせたかのように雲間から日差しがのぞく中、同12月に地域未来牽引企業に追加選定された319社と産業支援機関56機関の関係者ら約700人が参加。それぞれの地域経済をリードする顔ぶれが一堂に会し、交流を深めた。
全国トップの計画承認数
「新潟県は地域未来投資促進法に基づく事業計画の承認数が105件と全国で断トツの1位。サミット開催地にふさわしいと考え、新潟市での開催を決めた」。世耕弘成経済産業大臣は開会あいさつでサミット開催地の選定理由をこう述べた。県や市が独自の地域未来投資促進の取り組みに熱心であることも触れ、「全国の皆さんも新潟に負けないように取り組んでほしい」と呼びかけた。
新ビジネスの創出に期待
来賓の花角英世新潟県知事は、農産物など地域資源を活用した食品産業の取り組み、航空機産業、産学連携による健康・医療・福祉分野への参入、AI(人工知能)など先端技術を活用した新産業の創出といった成長分野に挑戦する相次ぐ新潟経済界の実情を紹介。その上で「国や地域の支援機関と連携し創業支援や海外展開、企業改革、先端技術の導入などに意欲的な企業をしっかり応援していきたい」との決意を示した。
中原八一新潟市長は、今年1月に開港150周年の節目の年を迎えた新潟市について「文化や経済の拠点として発展してきた」と歴史に言及。その上で5月に開催する『G20新潟農業大臣会合』、観光など同市の魅力を国内外に発信する機会が増えていると強調。同サミットを通じて「地域や分野を横断した新たなビジネスが創出されること」への期待感を表明した。
基調講演では『地域未来牽引企業』の選定に係る有識者委員会の委員長で、東京大学の坂田一郎大学院工学系研究科・技術経営戦略学専攻教授総長特任補佐が選考の過程やサミットの意義などを語った。また、田川欣哉Takram社長が『地域未来牽引企業』のロゴマーク完成までのエピソードを披露した。
選定証授与式は地域ブロックごとに計52人の代表者が登壇。世耕大臣から一人ずつ選定証を受け取り、固い握手を交わした。続く各産業支援機関トップによる施策説明には熱心に聞き入る参加者の姿も。選定企業と世耕大臣との記念撮影の間には産業支援機関や新潟県、新潟市の特設コーナーに立ち寄る出席者も多く見られた。
選定企業が早くも成果
サミット終了後の記者会見で世耕大臣は『地域未来牽引企業』の選定や過去2回のサミット開催による成果を披露した。「選定されたことで信用力向上、取引や人材確保の円滑化、選定企業同士の交流による商談や新商品の共同開発も実現している」と指摘。今後も産業支援機関と連携し、選定企業の事業展開を積極的に後押ししていく意向を示した。