統計は語る

9月のサービス産業活動は、「小売業」、「金融業,保険業」などの業種が低下。基調判断は、「一進一退」に据え置き

9月の第3次産業活動指数は、前月比低下

9月のサービス産業(第3次産業)活動指数は、指数値102.3、前月比マイナス0.2%と2か月連続の低下となった。

これまでのサービス産業活動は、2024年4月は、「運輸業,郵便業」を中心に多くの業種が上昇したことから、全体として上昇、5月は、「卸売業」や「金融業,保険業」などの業種が上昇したことから、全体として上昇と、2か月連続で上昇した後、6月は「卸売業」や「医療,福祉」などの業種が低下したことから、全体として低下したが、7月は「医療,福祉」、「卸売業」などの業種が上昇したことから、全体として上昇した。こうした中、8月は「医療,福祉」、「生活娯楽関連サービス」などの業種が低下したことから、全体として低下、9月も「小売業」、「金融業,保険業」などの業種が低下したことから、全体として低下と、2か月連続の低下となった。

業種ごとの動向

9月の業種別の動きをみると、11業種中、6業種が前月比低下、5業種が同上昇となった。

9月は、「小売業」、「金融業,保険業」などの業種が低下したことから、全体として低下した。

「小売業」は、前月比マイナス3.0%と、6か月ぶりの低下となった。内訳業種では飲食料品小売業、その他の小売業(別掲を除く住関連)などが低下に寄与した。また、「金融業,保険業」も、前月比マイナス1.2%と3か月ぶりの低下となった。内訳業種では「金融商品取引業,商品先物取引業」などが低下に寄与した。一方で、「生活娯楽関連サービス」が、前月比1.5%と3か月ぶりに上昇した。

『対個人/対事業所サービス』の動向

サービス産業活動指数は、大きく「広義対個人サービス(以下対個人サービス)」と「広義対事業所サービス(以下対事業所サービス)」に分けることができる。

9月は、対個人サービスが、指数値102.3、前月比0.2%と上昇、対事業所サービスが、指数値102.8、同0.0%と横ばいとなった。

『製造業/非製造業依存型事業所向けサービス』の動向

対事業所サービスは、製造業の取引先が多いか、そうでないかによって、「製造業依存型」と「非製造業依存型」に分けることができ、それぞれの指数を計算している。

9月は、製造業依存型事業所向けサービスが前月比0.6%と上昇、非製造業依存型事業所向けサービスが同マイナス0.3%と低下となった。

『非選択的/し好的個人向けサービス』の動向

対個人サービスは、生活必需的な性質で変動が相対的に少ないと考えられる「非選択的サービス」と、選択性が高く所得環境や経済情勢などの影響を受けやすいと考えられる「し好的サービス」に分けられ、それぞれの指数も計算している。

9月は、非選択的サービスが前月比マイナス0.5%と低下、し好的サービスが同0.3%と上昇となった。

9月時点の基調判断は、「一進一退」に据え置き

9月のサービス産業活動指数は、「小売業」、「金融業,保険業」などの業種が低下したことから、全体として前月比マイナス0.2%と、2か月連続の低下となった。

また、2024年4月は前月比2.3%と上昇、5月が同0.3%と上昇、6月が同マイナス0.8%と低下、7月が同2.0%と上昇、8月が同マイナス1.1%と低下、今回9月が同マイナス0.2%と低下となっており、均してみると、引き続き一進一退の状態にあると考えられる。

このため、サービス産業活動指数の9月の基調判断については、「一進一退」に据え置く。

なお、今後は、物価上昇による取引量への影響などについて、注視していく。

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参考図表集

マンガ「就職にも使える!第3次産業活動指数」