地域の未来はわれらの肩に
地域未来牽引企業サミット、福島県会津若松市で開催
4月14日―。満開の桜の中、各地を代表する中堅・中小企業の経営者約1000人が福島県会津若松市に一堂に会した。経済産業省が初開催した地域未来牽引企業サミット。同省は、今後の地域経済を牽引することが期待される企業を「地域未来牽引企業」として選定しているが、今回のサミットは、そのお披露目の場。同時にこれら選定企業には、より果敢に事業に取り組んでもらえるようさまざまな施策情報を提供し、関係機関とも一体となって、地域経済を盛り上げていく狙いだ。実はこの事業には世耕弘成大臣の並々ならぬ思いが込められている。
内から盛り上げ
「今日、この大会、サミットが開けて感無量。ここに至るまで長い道のりがあった」―。世耕大臣はサミットの開会にあたり、こう切り出した。
「第4次産業革命という動きがある中、日本の地域の経済をどうやって活性化をしていけばいいのだろうかという議論を、経産省の中で行ってきた」と振り返りつつ、至った結論は「それぞれの地域に、色々な大企業の工場を誘致するだけではもはや地域経済は活性化しない」という事実。むしろ「地域に眠っているポテンシャルを地域の側からぐっと盛り上げ、それを地域外や海外に攻めていくことこそが必要」との発想に基づき、地域未来投資促進法という法律の制定に至ったと明かす。
思いを伝えたい
同日、一堂に会したのは、この法律の活用が期待され、地域経済に新たな付加価値をもたらすと認められた企業。予算や税制、規制緩和などの優遇措置を受けられる。「皆様に一堂に会していただいて、この地域未来牽引企業の考え方、地域未来投資促進法の考え方を分かって頂きたいとの思いで、今日この地でサミット開催した」(世耕大臣)。
会場には地域未来牽引企業のみならず、金融機関や研究機関、大学、自治体、地元の経済団体などの姿もみられた。関係者が一丸となって地域の未来を担う各社を集中支援しようという熱い思いの表れである。
「循環」「変化」そして「多様性」
当日は、もうひとつの「お披露目」もあった。会場に掲げられた地域未来牽引企業のロゴマーク。波紋をイメージさせる躍動感あるデザインを担当したのはTaKram代表取締役の田川欣哉さん。ロゴマークに込めた3つの思いをこう語る。
「まずは『循環』。地域の中で何かつながりのようなものが見えてくればいい。もうひとつは『変化』。企業や地域良い影響を与えていってほしい。そして『多様性』。我々が見たことのないような産業や仕事が生まれてくる中、(異なるものも)互いに認め合い、高め合って、つなぎ合わせてほしい」―。未来へ向けたエールである。
また、商工組合中央金庫の関根正裕社長、中小企業基盤整備機構の髙田坦史理事長、産業技術総合研究所の中鉢良治理事長、日本貿易振興機構(JETRO)の 赤星康副理事長の4名からそれぞれの産業支援機関が行っている施策の説明があった。
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地域未来牽引企業