2017年のフードビジネスは、缶コーヒーがけん引する?
フード・ビジネス・インデックス指標
フード・ビジネス・インデックス(FBI)とは、生活に身近な飲食料品に関連する「食料品工業」、「食料品流通業」、「飲食サービス業」の活動状況を表す経済指標である。食料品流通業指数の2017年第1四半期の結果は大幅な上昇となった。その要因を探ってみよう。
消費税率引上げ後の落ち込みから転換か?
2017年第1四半期の指数値は97.8と、2016年の96.6から上昇している。この上昇が、消費税率引上げ後に落ち込んだ生産水準の転換となるのか、それとも、昨年第2四半期のような一時的な急上昇にとどまるのか、要注視である。
清涼飲料が上昇をけん引、酒類は長期低落
内訳をみると、「清涼飲料」の上昇が目立つ一方で、「肉製品」も緩やかに上昇しており、両系列は長期的に見ても高い指数水準である。他方、「酒類」は長期の低落傾向に変化はない。
過去の季節パターンほど減少せず
食料品工業全体の前期比2.0%上昇に対して、清涼飲料の上昇寄与分が大部分を占めている。清涼飲料の生産パターンは、夏場に向けて4-6月期に年間生産のピークがあり、7-9月期は横ばいで、10―12月期に低下、翌年1-3月期には更に低下して生産のボトムになるというもの。
この1年を振り返ると、昨年第2四半期は例年にない高い生産で、第3四半期は反動で減少したものの小幅にとどまり(原指数の前年同期比はマイナス1.3%)、第4四半期は例年よりやや多く(同1.1%)、年明け第1四半期には生産の落ち込みがほぼ見られなかった(同11.4%の大幅プラス)。
食品産業動態調査(食料需給センター)によると、今年に入ってからコーヒー飲料等の生産量が大幅に増加しており、容器別では、缶・びんのボトリング量が好調である。昨年上期には、ペットボトルのコーヒー飲料が好調だったが、ここ1、2年、缶コーヒー需要が盛り上がっているのかもしれない。
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