「花き・花木類」が演出するのは”生活の潤い”だけではない?
「花き・花木類」産業
最近では、海外からの関心の高まりも含めて、盆栽が一種のブームになっているという。こういった「緑の文化」を、生活に潤いをもたらす産業の一つとしてとらえ、産業統計的にみてみるとどうなるだろう。
やはり生産額の6割以上が、家計消費向け
まず、産業の規模感だが、平成26年の年延長産業連関表で、「花き・花木類」の国内生産額をみると3621億円となる。国内生産以外に500億円弱の輸入があり、需要合計としては、4100億円ほどになる。
この需要合計の部門別産出先=需要先を、同じく平成26年延長産業連関表で確認してみると、この4100億円余のうち、家計消費に回る分が62.7%。お花や植物といった産業には、「生活に潤いをもたらす産業」というイメージがあるが、イメージ通り需要先の6割以上は家計消費ということになる。
冠婚葬祭よりもさらに多いのは…
ただ、この4割近く存在する「家計消費以外」の部分を更に分類してみると、意外な結果となっている。家計消費以外の部分の中で、やはり多いのは「冠婚葬祭業」向け。しかし、その構成比は、2割程度である。
実は、4割近くの39.2%が建築土木関係の産業活動向けに産出されている。その中には、勿論多様なものがあり、道路関係の公共事業、木造ではない非住宅建築(商業ビルなど)、河川・下水道などの公共事業、そして木造ではない住宅建築(マンションなど)に建設するに当たって、花き・生花が需要されている。つまり、町の建設が進むと、そこに花や木々がもたらされるのだ。
いずれにせよ、花き・花木の産業は、日々の生活だけではなく、町並みの潤いも演出する産業となっていることが産業統計から明らかになっており、家計消費だけではなくて、幅広い産業活動との関係が重要であることがわかるだろう。
関連情報
平成26年延長産業連関表
http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/entyoio/result.html
サービス産業(第3次産業)活動指数
http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result-1.html
建設業活動指数(全産業活動指数の一部として公表しています)
http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/zenkatu/result-1.html