60秒早わかり解説

ファンとつくる資源循環の未来 「ガンプラリサイクルプロジェクト」

―プラスチック資源循環に挑む

「ガンダムR作戦」と題し、全国各地で実施するガンプラリサイクルの体験イベント

TVアニメ『機動戦士ガンダム』から派生したキャラクターのプラモデル、通称「ガンプラ」は、1980年代に一世を風靡し、若者を中心に社会現象となりました。約40年経った今も、年齢を問わず多くのファンを魅了しています。その「ガンプラ」が資源循環の流れの中で様々なチャレンジを行っています。

“ガンプラリサイクルプロジェクト”の取り組み

バンダイナムコグループ4社共同による「ガンプラリサイクルプロジェクト」は、ガンプラの“ランナー”と呼ばれるプラモデルの枠の部分を回収し、最先端技術であるケミカルリサイクルによって、新たなプラモデル製品へと生まれ変わらせることを目指した取り組みです。
集まったランナーは、ガンプラの生産工場である「バンダイホビーセンター」から排出されるプラスチックと合わせて、大きく3つの分野で再利用をされます。一部は、プラモデルで主に用いられているプラスチックのポリスチレンを化学的に分解し、ポリスチレンの原料であるスチレンモノマーに戻す最先端の「ケミカルリサイクル」技術の実証実験に用いられます。この技術の実現により、使用済みのプラスチックを新品のプラスチックへ再生することが可能なため、商品への幅広い利用が可能になり、再びガンプラとして新たなユーザーに届けられます。また一部は、「マテリアルリサイクル」として、「エコプラ」用の樹脂に再生され、リサイクル材を利用した新たなガンプラに生まれ変わります。そして残りは「サーマルリサイクル」としてパートナー企業と協力しながら、持続可能な電力の確保に活用されています。

ガンプラファンがみんなでつくる!を目指したガンプラリサイクルプロジェクト

効率性の高いリサイクルを目指して

ガンプラのマテリアルリサイクルは、回収に余分な負担をかけず、回収したランナーをそのまま粉砕して再利用することで、効率的なリサイクルを実現することを目指しています。
全国の「namco」をはじめとするバンダイナムコグループの対象店舗約200カ所に専用の回収ボックスを設置し、店舗にバンダイナムコの商品を配送したトラックが、帰路にランナーを回収することで、物流に特別な負担が発生することを抑えています。また、ランナーの成分がわかっている自社製品を回収するので、粉砕するだけでそのままプラモデルに成形できるという利点もあります。

“好きな気持ち”から始まる資源循環への関わり

マテリアルリサイクルにより製品化した「エコプラ」

発売以来多くのファンに親しまれ、愛され続けている「ガンプラ」。親世代の経験が、子供世代に引き継がれ、共通の楽しみとなる中で、これまで意識されてこなかった資源循環への取り組みが加わり、さらなる進化を遂げています。好きな気持ちから関心が高まり、持続可能な社会をつくることに繋がっていきます。
ⓒ創通・サンライズ

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経済産業省 資源循環経済課