60秒早わかり解説

4月1日プラ法施行!「プラスチック資源循環」に挑む地域の企業①

 「プラスチック」はその有用性から幅広い製品に利用されており、現代社会には欠かせない素材です。こんなにも便利で、安価で、衛生的なものはないかもしれません。一方で、管理や廃棄の方法が不適切だったことなどにより、海洋プラスチックごみ問題という世界的な環境問題に発展し、その対応は待ったなしの状況です。日本は世界トップランナーの3Rを推進してきたものの、実は容器包装廃棄量が世界ワースト2位。プラスチック資源循環のより一層の取組が求められており、本年4月1日に「プラスチック資源循環促進法」が施行されました。プラスチック資源循環対策はこれからどう変わっていくのでしょうか。

「つくる・つかう・回収する」3つの段階で変わります

 まず「つくる」段階では、国が指針を定め、プラスチック製品の特に優れた環境配慮設計を認定する仕組みができます。国は認定製品を率先して調達するとともに、事業者や消費者にも利用を促します。

 「つかう」段階では、カトラリーやアメニティなど12品目の対象製品を定め、それらを提供する小売・サービス事業者に対して、提供量の多寡にかかわらず、目標設定、提供方法や提供する製品に関する工夫などを求めます。事業者のみならず、「つかう」側の意識変革や協力も必要です。

 「回収する(リサイクル)」の段階では、自治体や事業者がプラスチックの廃棄物を回収・リサイクルしやすくします。ペットボトルやお菓子の袋などの容器包装のみならず、ボールペンや歯ブラシなどのプラスチック製品の廃棄物も資源として一括回収可能になるなど、幅広いプラスチックの容器包装や製品が効率的に「回収・リサイクル」できるようになります。

プラスチック資源循環に取り組む企業

 カフェのストローがプラスチックから紙に変わるなどの変化が身近でも起こっていますが、地域で積極的に「プラスチック資源循環」に取り組む企業や自治体も多く存在します。

 北海道を中心に独自のサプライチェーンを築くセコマグループ(セコマ:北海道札幌市、飲食料品小売業)は、4月1日の法律施行に伴い、グループ小売店店頭での啓発活動を開始。軽量化したスプーンやフォーク、バイオマスプラスチック配合のストローなどを順次導入する予定。また、グループ製造工場で使用する惣菜容器の軽量化やセイコーマート店頭での玉子パックの回収など、サプライチェーンを活かしたプラスチックの使用量削減・リサイクルに多角的・長期的に取り組んでいます。

左:セイコーマート店舗内の啓発用掲示物(2022年4月)、右:セコマグループのecoへの取り組み(2020年6月)

 秋保温泉旅館組合(宮城県仙台市、宿泊業)は、組合としてプラスチック製品の削減を掲げ、組合加盟の各施設において再生可能な紙素材や木材・珪藻土・石灰岩など自然由来のものを使用した代替製品へと順次切り替えを実施。また、カミソリ・シャワーキャップなどは無償提供から、持参または購入に切り替えています。

組合加盟の各施設でプラスチック代替アメニティへの順次切り替え

 協栄産業(栃木県小山市、再生樹脂製造業)は、日本初のメカニカルリサイクル(物理的再生法)技術を開発し、バージン原料と同等の高品質な再生PET樹脂を製造。飲料メーカーに再生PET樹脂を供給し、ペットボトルの水平リサイクルを実現しています。

高品質な再生PET樹脂「MR-PET」(協栄産業)

 いその(愛知県名古屋市、プラスチックリサイクル原材料製造業)は、高度な品質管理技術に裏打ちされた独自の生産工程と全国の協力会社との連携を通じた廃プラスチックの調達体制を構築。再生材でありながらバージン材と同等品質の材料を多様なものづくり企業へ提供。特に自動車産業については、自動車メーカー、解体業者、破砕業者などとの連携により、Car to Carのプラスチックリサイクルを実現しています。

Car to Carプラスチックリサイクル事業(いその)

経済産業省 資源循環経済課

【関連情報】
2022年3月政策特集「サーキュラー・エコノミー移行への第一歩」
プラスチック資源循環の特設HP
【60秒早わかり解説】4月1日プラ法施行!「プラスチック資源循環」に挑む地域の企業②

<紹介した企業>株式会社セコマ
秋保温泉旅館組合
協栄産業株式会社(地域未来牽引企業)
いその株式会社