60秒早わかり解説

積極的な保安活動を促進する「自主保安高度化事業者制度」

ますます安全な工場・事業所へ

設備の高経年化や熟練従業員の技術伝承、新技術への対応など、事業所が取り組む保安上の課題は時代とともに変化しており、個々の事業者の自主的な保安活動も重要度を増している。

取組事業者の拡大を目指して

経済産業省では昭和61年から高圧ガス保安法における認定制度を設けているが、さらなる自主保安活動を促すため「スーパー認定事業者」と「自主保安高度化事業者」の2つの制度を追加導入した。スーパー認定事業者制度では、先進的な保安活動を行う事業者に対して、工場の連続運転期間の拡大などの規制緩和を認めてきた。他方、自主保安高度化事業者制度では、これまで認定取得のメリットを受けづらかった幅広い事業者を対象としている。

自主保安高度化事業者制度のメリット

リスクアセスメントの実施やPDCAサイクルの取組みなどの積極的な保安活動が認められた事業者は、自主保安高度化事業者として認定される。同事業者は、事前の工事許可が不要となる対象拡大や定期検査の実施猶予期間の拡大といった規制の合理化が適用される。

自主保安活動を見える化

これらの認定事業者は、一定以上の保安力を有している証としてロゴマークの使用が認められ、保安力向上に積極的に取組む事業者としてPRできる。

自主保安高度化事業者 第1号!

平成30年9月3日、日本エイアンドエル株式会社愛媛工場が自主保安高度化事業者の第1号として認定された。運転管理体制の強化及び作業従事者の負荷低減を図る種々の取組のほか、運転員の技能に左右されないアラームマネジメントのシステム導入などにより運転の安定化を実現した点が評価された。経済産業省では、同社に続き、各事業者において積極的な自主保安活動が行われることで保安水準が向上し、安全な工場・事業所が増えることを目指している。

【関連情報】

「自主保安高度化事業者」第1号案件として日本エイアンドエル株式会社愛媛工場を認定しました

新認定事業者制度