60秒早わかり解説

さらなる安全性を確保する「スーパー認定事業所制度」


 日本の石油精製・石油化学事業を支える工場は、高度成長期に続々と建設されてきたが、設備の高経年化、高度な知見を持ったベテラン従業員の減少、多様化する災害への対応など、取り巻く環境は変化している。そのため、さらなる安全性を確保することが重要となっていることから、経済産業省は今年4月、スーパー認定事業所制度の運用を開始した。

スーパー認定事業所とは?

 新設のスーパー認定事業所制度では、既存の認定事業所制度である従業員への教育訓練の実施、検査組織の設置、保安体制の継続的な改善に加え、新技術の導入、第3者による保安力の評価など、より高度な保安への自主的な取組を条件としている。これにより、プラントの更なる長期間の連続運転が可能となるといったメリットがある。

イノベーションと保安投資の呼び水に

 この制度の導入により、正常時状態のデータを収集・分析することで、装置の異常状態を早期に検知するなど、IoT・ビッグデータ活用による早期の対応を可能とする先端技術の導入が進むとともに、イノベーションの加速や事業所の保安力を高めるための投資の促進が期待される。それらは同時に、生産性の向上にも貢献すると考えられる。

スーパー認定事業所 第1号!

 12月20日、JXTGエネルギー株式会社川崎製油所がスーパー認定事業所の第1号として認定された。製造工程、設備、運転等における保安に影響を与える危険源の特定に係る手順を更に高度化するなど、安全性確保の質の維持・向上などを積極的に実施している点が評価された。今後、ますます高度な保安取組を行う事業所が増えることを期待したい。

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