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令和時代の中小企業の活躍に向けて
2019年版中小企業白書・小規模企業白書を公表
中小企業庁は、2019年版中小企業白書・小規模企業白書を公表した(6月末から書店にて発売中。)。経営者目線に立った事例を豊富に紹介し、令和時代に活躍するためのヒントを提供している。
直面する課題
経営者の高齢化が進む中で、中小企業がこれまで培ってきた事業や貴重な経営資源を円滑に次世代へと引き継ぐことが欠かせない。また、中小企業経営者は、人口減少、デジタル化、グローバル化といった構造変化の中で、柔軟に変化に対応し、自己変革を続けていく必要がある。
経営者の世代交代と新たな担い手
これまで事業承継により企業の業績が改善する可能性が指摘されてきたが、本白書では特に、若い世代への事業承継が企業の業績にプラスの影響を与えることを明らかにした。また、フリーランス・副業による起業を取り上げ、新たな担い手にも焦点を当てた。
社会の変化を自己変革のチャンスに
社会の変化は中小企業にとってマイナスの影響ばかりではない。創業100年以上にわたり食堂を営む飲食店は、AIによるデータ分析を導入し売上拡大を実現した。また、高級傘の製造・販売を行う企業は、クラウドファンディングを活用し、新商品の開発と顧客開拓につなげた。白書では、社会の変化を追い風に活躍する中小企業の事例を豊富に紹介している。
平成の約30年間を振り返ると、中小企業を取り巻く経済・社会の構造は大きく変化した。令和という新たな時代を迎えた今、本白書の分析や事例をきっかけに、中小企業のさらなる活躍に向けた取組が進展していくことを期待したい。
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