地域で輝く企業

【地域未来牽引企業】全国の有望企業が九州に

地域未来牽引企業サミットin熊本


7月21日―。熊本市で「地域未来牽引企業サミットin熊本」が開かれた。同サミットの開催は今春の福島県会津若松市に続く2回目で、地域経済への波及効果が大きく成長が見込まれると期待される地域未来牽引企業や産業支援機関の関係者ら約500人が一堂に会した。当日は34度の猛暑だったが、会場もそれに劣らぬ熱気に包まれていた。

豪雨被災地企業にエール

「こういう時だからこそ、開催すべきだと決断した」―。世耕弘成大臣は冒頭あいさつで、西日本豪雨災害の被災地へのお見舞いを述べた上で、2年前の熊本地震で被災した企業が復興を遂げていることに言及。「熊本の『創造的復興』を全国に発信する」ことの意義を強調。「豪雨被災地の企業にも熊本のように前を向いて、復旧復興に取り組んでほしい」と激励した。

あの人気キャラクタ-も登場

蒲島郁夫熊本県知事のあいさつにはあの人気キャラクターも登場。会場を大いに沸かせた。大学で政治学を教えていた経歴の持ち主でもある蒲島知事は「政治でも経済でも経営でも“可能性の現実”を最大限に生かしながら不可能を可能にしていく」意義を強調。不可能を可能にした県の職員「くまモン」を引き合いに、「不可能を可能にする企業こそが未来牽引企業だ」とエールを送った。

熊本県の蒲島郁夫知事の隣にはくまモンが

蒲島県知事、大西一史熊本市長のあいさつに続き、『地域未来牽引企業』の選定に関わった東京大学の坂田一郎大学院工学系研究科・技術経営戦略学専攻教授総長特任補佐が基調講演。田川欣哉Takram社長は『地域未来牽引企業』のロゴマークに込めた意味や思いを解説した。
その後のパネルディスカッションでは、商工組合中央金庫や中小企業基盤整備機構、産業技術総合研究所などがそれぞれ展開する支援策について紹介。さらに選定企業による事例紹介が行われた。
プレゼンテーションを行ったのは、独自の表面処理技術を持つオジックテクノロジーズ(熊本市西区、金森秀一社長)や空調設備などの設計・施工を手がける西部技研(福岡県古賀市、隈扶三郎社長)など6社。会場の参加者らが熱心に聞き入る姿が見られた。

地域未来牽引企業によるプレゼン

世耕大臣を囲んで記念撮影する参加者

「全国1位」は情熱の証

サミット終了後の記者会見で世耕大臣は「熊本県は『地域未来投資促進法』に基づく事業計画承認数が61件と全国1位。企業と自治体が官民あげて復興に向けて情熱を持って、前向きに、積極的に取り組んでいる証」とあらためて評価。こうした企業の積極的な事業展開が地域経済への波及効果を生み出すことへの期待感を示した。