コーヒーを極める
ゴールデンウィーク、皆さまどのように過ごされたでしょうか。巷には外国人観光客の姿も戻りつつあり、人の往来も戻ってきました。アウトドア派の方々は思い思いの非日常へと旅立たれたことと思いますが、自宅で美味しいコーヒーでも飲みながらホッと一息つくお休みもなかなか良いものです。
コーヒーの好みは人それぞれ。友人や知人のこだわりの飲み方を聞いて真似してみるのも面白いですよね。かくいう私は、「高い位置からコーヒーとミルクを同時に注ぐ方式のカフェラテ」が好きです。大学生のとき初めてイタリアに旅行した初日の朝のこと。朝食で何気なく注文したカフェラテ。見たこともないほどオシャレな柄のコーヒーポットの、見たこともないほど細長い注ぎ口から、世にも正確に注がれる黒と白の液体が、小さなコーヒーカップへと世にも静かに注ぎ入れられる不思議。「グラッツェ」。「プレーゴ」。ここまでで1セットです。もう10年以上も前のことですが、忘れられません。
旅行から帰ってしばらくは、高い位置から注がれるカフェラテにハマってしまいまして、ちょっと奮発して、高い位置からカフェラテを注ぐ喫茶店を捜し歩きました。珍しい店もあるもので、脚立の上からコーヒーを注ぐパフォーマンスが名物の店なんかも見つけたりして、一度は訪れてみたいと思っています。そんなこんなで、今でも、絶対に寝られない戦いがあるとき以外には、コーヒーはカフェラテ派です。自宅では、時折思い立ったように、エスプレッソマシンからコーヒーが抽出されるのと同時に牛乳を注いでみることもありますが、低い位置からやります。
珍しいコーヒーといえば、インドネシアのジャコウネコの糞を原料とした世界一高いコーヒー「コピ・ルアク」が有名ですよね。良質なコーヒーの実を好んで食べ、種は消化しないで排出してしまうために、その糞がコーヒーの原料になるということです。通販サイトでも販売されていて誰にでも購入できそうですが、私にはお値段的にも気分的にも手が出ません。最初に試した人へのリスペクトの気持ちだけは忘れないでいようと思います。
淹れ方や豆へのこだわりもさることながら、コーヒービジネス界では、新しい焙煎方法への飽くなき挑戦も行われています。世界には、宇宙から大気圏への再突入の熱でコーヒー豆を焙煎してしまおうという着想を持つ人もいるようです。もしやと思い調べてみると、国内にもありました。温泉地で噴出する地熱の蒸気を使ったコーヒー焙煎。また、4月15日~16日に札幌市で開催したG7気候・エネルギー・環境大臣会合の終了後、小樽港にて行われた水素運搬船の視察では、脱炭素社会に向けた次世代エネルギーの1つとして注目される「水素」で焙煎したコーヒーがG7各国の閣僚に振舞われました。焙煎の熱源や方法を変えるとコーヒーの味がどんな風に変わるのか、気になりますね。
このように考えると、コーヒーは、色々な分野で研究の進む最先端の技術を、私たちの生活の一部へと導入する「実証フィールド」として活用されている、と言えるかもしれません。
METIジャーナルオンライン・5月の特集は、「日本をスタートアップ大国へ」。新たなコーヒーの飲み方を提案してくれるスタートアップ企業が登場する予定は(今のところ)ありませんが、将来、私たちの生活を大きく変える斬新なアイデアや技術を持った企業を日本から生み出し、そして世界へと羽ばたかせていくのか。経済産業省の政策や注目のスタートアップ企業を紹介します。
そのほか、地域のきらりと光る中小企業のご紹介や、統計データから見える経済の動きの解説など、盛りだくさんのMETI Journalオンラインを、今月もどうぞよろしくお願いします。
経済産業省広報室/METI Journalオンライン編集チーム
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