60秒早わかり解説

ここが変わった!シン・なでしこ銘柄

なでしこ銘柄の選定開始から10年。昨今の人的資本経営重視の流れや、国内外における企業の非財務情報開示の議論を踏まえ、今年度から「なでしこ銘柄」が大きく変わります。

世界と日本、ジェンダー・ギャップの差

日本の就業者の女性比率は諸外国と同程度です。しかし、女性役員比率は上昇してきたものの7%台にとどまり、欧米と比べ、未だ低い状況にあります。

女性比率の国際比較

また、経済分野において管理職に占める女性の割合が低いことは、世界経済フォーラムのジェンダー・ギャップ指数で、146か国中116位と先進国で最低となる一因になっています。

日本のジェンダー・ギャップ指数は「経済」及び「政治」の順位が低く、「経済」は146か国中121位、
「政治」は146か国中139位(出典:内閣府ホームページ)

注目が高まるダイバーシティと人的資本経営

こうした状況を踏まえ、経済産業省では、2012年度から東京証券取引所と共同で、リーダー層における女性の登用など女性活躍推進に優れた上場企業の中から「なでしこ銘柄」の選定を行い、投資家にとって魅力ある銘柄として紹介しています。

開始から10年経ち、新型コロナウイルス感染症の流行やそれに伴う産業構造の急激な変化など企業の経営環境も変化しました。ダイバーシティの取り組みはますます重要となり、人材を「資本」と捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値につなげる人的資本経営や、非財務情報開示の動きへの注目も高まっています。

新しい「なでしこ銘柄」で企業の取組をさらに加速化!リニューアルのポイントとは?

このような動きを踏まえ、なでしこ銘柄は調査票や評価基準を一新しました。企業の女性活躍推進の経営戦略上の位置づけと、取り組みや成果の把握に主眼を置きます。経営戦略において女性活躍推進がなぜ不可欠で、何を実現したいのか、企業が目指すビジネスモデルを支える人物像は何か、それに向けてどのように取り組み、どのような結果を出し、対外的に示すのか、今後の課題とアクションは何か、といった一貫性を持った各社のストーリーの見える化や、国内外への情報発信を評価します。

また、情報開示に同意いただいた企業については、銘柄選定の有無にかかわらず、「女性活躍推進に積極的な企業」として、投資家などの資本市場や、学生や転職者などの労働市場に向けて回答いただいた定量データを公表します。

選定される企業は、昨年は50社程度でしたが、17業種1枠程度とし、合計20社程度となります。

自社の立ち位置を確認し、社内外のステークホルダーと対話を

なでしこ銘柄に応募した企業には、女性活躍の状況について自社の「偏差値」が分かるセルフチェックシートをお送りします。同業他社と比べて、自社の取り組みがどの程度進んでいるのか、逆に遅れを取っている項目は何かを社内で確認するとともに、労働市場や資本市場への説明や対話に活用できます。

リニューアルした「なでしこ銘柄」、応募をお待ちしています!

経済産業省 経済社会政策室

【関連情報】
女性活躍に優れた上場企業を選定「なでしこ銘柄」|経済産業省ホームページ
令和4年度「なでしこ銘柄」募集要領
令和4年度「なでしこ銘柄」説明動画|metichannel