60秒早わかり解説

攻めのIT経営を、株式市場が評価


 IT投資の目的は、バックオフィスの効率化やコスト削減といった「守り」だけでなく、国際競争を勝ち抜くための価値創造につながる「攻め」が重要だが、日本はこの投資が米国に比べ大きく遅れている

新しい提案につながるIT投資

 ものづくりの現場でも、攻めのIT投資が進んでいる。生産プロセスを管理して効率化するだけでなく、納品した製品の運用状況をセンサーで把握することで、効率的な製品利用のコンサルティングや故障の予防に繋がる整備提案などの新サービスといった、新たな事業創出も可能になる。

身近なスマホでも

 スマホから電車の切符を予約するだけでなく、走行中の列車の位置や車内の混雑状況・温度などもリアルタイムに知ることができる。また、銀行口座の開設や航空機内でのインターネット接続サービスも可能になるなど、新たな顧客価値を創出し選ばれる企業としての競争力強化を目指している。

工事現場でも

 住宅メーカーも、スマートデバイスで全ての業務を遂行可能にし、営業担当者が報告書作成のために会社に戻る必要を無くしたり、施工現場や業務の進捗状況等の迅速な共有化・見える化を進めている。

「攻めのIT経営銘柄」

 このようなベストプラクティスの拡大を目指し、経済産業省は東京証券取引所と「攻めのIT経営銘柄」を実施し、4回目となる選定を行う。1月9日に東京証券取引所において「攻めのIT経営銘柄2018」の選定方法等に関する説明会を開催する。賢くIT投資している企業は、実際に株式市場での長期的な評価も高くなっている。

 経営者がIT経営の重要性を認識して、攻めのIT投資を行い、それを株式市場がきちんと評価する、という良いサイクルがまわっていくことが、今後人手が不足していく日本の持続的な成長に必要不可欠となっている。

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