60秒早わかり解説

後継ぎ社長にこそ「デザイン経営」

 以前の60秒解説(「デザイン経営」ってなんのため?)でも取り上げた、「デザイン経営」。特許庁は、後継ぎ社長が直面する「時代の変化への対応」と「既存の経営資源」というジレンマに対応するため、デザイン経営の9つの「入り口」を提案する。各社各様の課題に合った取組を実践するには、自社にあった「入り口」を選び、各社独自の経営をデザインすることが重要だ。

事業承継”後”の問題

 今後10年間で、中小企業の約半分が事業承継のタイミングを迎えるとみられる。近年は、後継者の不在に注目が集まるが、承継後にも課題は多い。変化が激しく先の見通せない時代、承継した事業をそのまま継続するだけでは、生き残ることは難しく、新規事業開発等の変革を迫られる。

後継ぎ社長のジレンマ

 既存の事業、組織、従業員は重要な経営資源である反面、変化に対応する際にはかえって制約となり、容易には変えられないジレンマを抱えている。そんな中、後継ぎ社長は何から手をつければ良いかわからずに不安や葛藤を感じている場合がある。

独自のレシピを

 すべての企業が同じセオリーに従っても、なかなか効果は出ない。そこで特許庁では、悩みを抱える中小企業向けに、会社の人格形成、企業文化の醸成、価値の創造の観点から、デザイン経営への9つの「入り口」を紹介した「中小企業のためのデザイン経営ハンドブック」を公表した。9つの「入り口」はどこから始めても良い。その順番も各社各様。まずは、自社の課題を掘り下げ、そこに必要な要素は何かを洗い出す。先行事例に自社なりのアレンジを加えた独自のデザイン経営のレシピが、後継ぎ社長のジレンマ解消への足がかりとなることを期待したい。

【関連情報】

中小企業のためのデザイン経営ハンドブック

問い合わせ先:特許庁デザイン経営プロジェクトチーム

「デザイン経営」ってなんのため?