60秒早わかり解説

チバニアン承認!地質年代に初の日本地名

千葉県市原市田淵の養老川沿いにある千葉セクションの露頭。 世界を代表する地質時代の模式地として認められた

 日本の研究チームが千葉県市原市の地層「千葉セクション」を、国際標準模式地(GSSP:Global Boundary Stratotype Section and Point)の候補地として国際地質科学連合へ申請していることは、以前の60秒解説でも取り上げたとおりだ。今般、この千葉セクションがGSSPとして正式に認定され、地質年代の中期更新世(約77万4千年前~約12万9千年前)が「チバニアン」と名付けられることとなった。

認定されるためには?

 国際地質科学連合は各地質時代の境界を地球上で最もよく示す地層を選んでGSSPに認定しており、77万年前は一番最近(最後)の地球磁場の逆転が起きた時期とされている。この時代を代表する地層に認定されるためには、連続的に海底で積もった地層であること、地磁気逆転など複数の手法で比較できることなどが必要な条件となっていた。

どうして千葉が?

 日本の研究チームが申請していた千葉セクションでは地磁気が逆転した期間の解像度の高いデータが得られていたこと、また、他の候補地と異なり太平洋で堆積したため、地層に汎世界的な環境変動が起こったことが記録されていたことも評価の重要なポイントとなった。千葉セクションが地質時代「チバニアン」として正式に認定された事で世界のGSSPは74カ所となった。

地学教育や地質情報利活用を期待

 「チバニアン」は地元の方々が来訪しやすい場所にあるため、地質学の一般への普及や学校教育への大きな波及効果が期待されている。今回のGSSP認定をきっかけに、地質図などの地質情報が地域振興をはじめ、様々な活動に活かされることを期待したい。

第四紀/系における年代層序単元と地質年代単元(日本地質学会HPより)

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