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電動車いすを見かけたら


 電動車いすは高齢者や歩行に困難を感じる人にとっては、日常生活の助けとなる重要な製品である。その一方で、運転を誤ったときは事故に直結するおそれがある製品でもあり、場合によっては死亡や重篤なけがを負うこともあることから、電動車いすを利用する方だけでなく、周囲の方も気にかけてほしい。

2018年は5件の死亡事故が発生!

 電動車いすの事故は坂道や段差、踏切などの場所で多く発生しているが、特に踏切で発生した事故は重篤な被害となっている。独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)が収集した事故情報によると、電動車いすの事故は2009年度から2017年度の9年間で12件の事故が報告されている。
 2018年は11月末時点で既に5件も報告されており、すべて死亡事故だった。

原因の多くは不注意や誤った使い方

 踏切で発生した電動車いすの事故の原因について、調査が終了した11件の事故のうち、8件が「製品に起因しないもの」で、残りの3 件は「原因不明」となっている。事故原因が「製品に起因しないもの」の中には、不注意や誤った使い方に気を付けることで防げる事故が多く、注意点を把握し、事故を未然に防ぐことが重要だ。
 踏切を渡るときは、①時間的余裕をもって渡る②介助者と一緒に渡る③端に寄らない④レールを直角に越えるーの4点を意識してほしい。
 また、路面が見えにくい夕方以降や、飲酒時・体調不良時は、乗車を控え、定期的に運転の訓練や研修を受けることも効果的だ。

周りの方のサポートも重要

 電動車いすを使う方がもし踏切で動けなくなった場合、自力での脱出が難しいことが多いため、周囲の通行人のサポートも非常に重要だ。
 電動車いすの方を見かけたら、
①踏切を渡り終えるまで見守る
②緊急時はためらわずに非常ボタンを押す
など、ご協力をお願いしたい。

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