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【万博60秒解説】万博を支える地域企業をご紹介!~北海道局発:家具の聖地・旭川から~
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大阪・関西万博を飛躍の機会と捉え、様々な取り組みを進める地域企業をご紹介する本企画。第5弾は北海道局からお届けします。
日本五大家具産地である旭川で、時代の変化に適応するために、環境へ配慮した「ものづくり」を実現する「旭川家具」。万博会場に椅子を提供することで、多くの人にその魅力を知ってもらい、世界のファンを獲得しようと取り組んでいます。
人の知恵と森からの贈物
明治中期以降、北海道に師団が編成されたことなどに伴い、本州から職人が多く移住してきました。北海道は、家具に適した木材が入手しやすく旭川市を中心に家具産業が発展しました。その後、職人や家具メーカーの弛まぬ努力により一大家具産地が形成され、「旭川家具」と呼ばれるようになりました。
北海道で家具をつくる意味
旭川家具もかつては安価な輸入材の使用率が高まりましたが、近年、環境へ配慮が求められるようになりました。そこで、木材を運搬する際のエネルギーコストの削減などを目指し、道産木材の使用率を高める「ここの木の家具・北海道プロジェクト」が開始されました。
プライドをかけた原点回帰
道産材の使用率を高めるため、従来は使うことが難しかった経が小さい、節が多いなどの木材も、繋ぎ合わせや接着方法、またデザインとして見せるなど、地域の職人やメーカーが切磋琢磨して技術を磨き合うことによって、道産木材の使用率70%を達成しています。
万博を契機に世界へ
旭川家具は1産業の枠を超え、地域発展の切り札として位置づけられるようになりました。旭川家具工業協同組合は、万博を契機に様々な「これからの日本のくらし(まち)」 を改めて考え、多彩なプレイヤーとの共創により新たなモノを万博で実現するプロジェクト「Co-Design Challenge」に採択されました。万博のイベント会場に椅子を貸与し、世界中の方々に直接触れていただくことが決まっています。また万博と連動し、万博の開催時期に合わせて、地域の家具メーカーがオープンファクトリーを実施。旭川家具の魅力を世界に発信するとともに、国内外からの誘客や人的交流の加速化をはかることとしています。
北海道経済産業局 地域経済課