11月のサービス産業活動は、「卸売業」、「情報通信業」などが低下し、2か月ぶりの低下。基調判断は、「一進一退」に据え置き
11月の第3次産業活動指数は、前月比低下
11月のサービス産業(第3次産業)活動指数は、指数値101.8、前月比マイナス0.3%と2か月ぶりの低下となった。
これまでのサービス産業活動は、2024年8月は「医療,福祉」、「運輸業,郵便業」などの業種が低下したことから、全体として低下、9月も「金融業,保険業」、「小売業」などの業種が低下したことから、全体として低下と、2か月連続の低下となったが、10月は「医療,福祉」、「卸売業」などの業種が上昇したことから、全体として上昇となった。こうした中、11月は「卸売業」、「情報通信業」などの業種が低下したことから、全体として2か月ぶりの低下となった。
業種ごとの動向
11月の業種別の動きをみると、11業種中、9業種が前月比低下、2業種が同上昇となった。
11月は、「卸売業」、「情報通信業」などの業種が低下したことから、全体として低下した。
「卸売業」は、前月比マイナス1.5%と、2か月ぶりの低下となった。内訳業種では「その他卸売業(機械器具を除く住関連卸売業)」、「機械器具卸売業」などが低下に寄与した。また、「情報通信業」も、前月比マイナス1.2%と2か月ぶりの低下となった。内訳業種では「情報サービス業」、「インターネット附随サービス業」などが低下に寄与した。一方で、「不動産業」は、前月比2.7%と2か月ぶりに上昇した。内訳業種では「不動産取引業」が上昇に寄与した。また、「小売業」は前月比0.9%と3か月ぶりの上昇となった。内訳業種では「織物・衣服・身の回り品小売業」、「その他の小売業(別掲を除く住関連)」が上昇に寄与した。
『対個人/対事業所サービス』の動向
サービス産業活動指数は、大きく「広義対個人サービス(以下対個人サービス)」と「広義対事業所サービス(以下対事業所サービス)」に分けることができる。
11月は、対個人サービスが、指数値102.0、前月比1.2%と4か月ぶりの上昇、対事業所サービスが、指数値101.8、同マイナス1.2%と3か月ぶりの低下となった。
『製造業/非製造業依存型事業所向けサービス』の動向
対事業所サービスは、製造業の取引先が多いか、そうでないかによって、「製造業依存型」と「非製造業依存型」に分けることができ、それぞれの指数を計算している。
11月は、製造業依存型事業所向けサービスが前月比マイナス2.1%、非製造業依存型事業所向けサービスが同マイナス1.1%となり、ともに低下した。
『非選択的/し好的個人向けサービス』の動向
対個人サービスは、生活必需的な性質で変動が相対的に少ないと考えられる「非選択的サービス」と、選択性が高く所得環境や経済情勢などの影響を受けやすいと考えられる「し好的サービス」に分けられ、それぞれの指数も計算している。
11月は、非選択的サービスが前月比0.3%、し好的サービスが同0.7%となり、ともに上昇した。
11月時点の基調判断は、「一進一退」に据え置き
11月のサービス産業活動指数は、「卸売業」、「情報通信業」などの業種が低下したことから、全体として前月比マイナス0.3%と、2か月ぶりの低下となった。
また、2024年8月が同マイナス1.4%と低下、9月が同マイナス0.1%と低下、10月が同0.1%と上昇、そして今回11月がマイナス0.3%と低下となっており、均してみると、引き続き一進一退の状態にあると考えられる。
このため、サービス産業活動指数の11月の基調判断については、「一進一退」に据え置く。
なお、今後は、物価上昇による取引量への影響などについて、注視していく。