賃上げ促進税制を強化!~賃上げに取り組む企業・個人事業主を応援
日本の経済は、30年余り続いたコストカット型の経済から、所得増と成長の好循環による新たな経済へ移行する大きなチャンスを迎えています。このチャンスをつかみ取るためには、物価上昇を上回る賃上げの実現が重要です。
賃上げ促進税制って何?
賃上げ促進税制とは、企業が賃上げを実施した場合に、賃上げ額の一部を法人税などから税額控除できる制度です。
2023年の春闘では3.58%※と30年ぶりの高水準の賃上げを実現しました。この動きを一過性のものとせず、構造的・持続的な賃上げを実現するため、「令和6年度税制改正の大綱」において賃上げ促進税制が強化されることとなりました。
※日本労働組合総連合会(連合)集計結果
改正のポイント
今回改正された税制は、2024年4月1日から2027年3月31日までの間に開始する各事業年度が適用対象となります。改正により、最大税額控除率が、大企業・中堅企業は35%、中小企業は45%にアップしました(改正前は大企業・中堅企業は30%、中小企業は40%)。
主な改正点は、以下の5点です。
① 大企業向けは、より高い賃上げへのインセンティブ強化に向け、更に高い賃上げ率の要件(5%、7%)を創設。
② 中小企業向けは、赤字企業などの賃上げ後押しに向け、前例のない長期となる5年間の繰越控除措置を創設。
③ 地域において賃上げと経済の好循環の担い手として期待される中堅企業向けの新たな枠を創設。
④ 雇用の「質」も上げる形での賃上げの促進に向け、
・教育訓練費を増やす企業への上乗せ措置の要件を緩和。
・子育てとの両立支援、女性活躍支援に積極的な企業への上乗せ措置を創設。
⑤現行の賃上げ促進税制よりも長い3年間の措置期間とする。
各税制において適用対象となる企業規模などを含めた改正後の制度の概要については、こちらのパンフレットをご参照ください。なお、パンフレットよりも詳細な制度内容につきましては、2024年5月頃をめどに以下に公表します。
・大企業向け・中堅企業向け
・中小企業向け
積極的な賃上げを行う企業を応援します
本税制は、「成長と分配の好循環」の実現に向けて、企業が得た収益を従業員に還元するよう、賃上げの促進を目的とする制度です。適用要件の対象とする給与総額には、主として事務負担の観点から、時間外労働や休日労働による割増賃金は除外していませんが、税制の活用にあたっては、基本給や賞与の引上げを通じた賃上げを積極的に行っていただくよう、お願いしています。
政府としても、より多くの企業に本税制をご活用いただけるよう、周知・広報に努めるとともに、各種施策を通じた環境整備により、民間企業の賃上げを応援していきます。
経済産業省 産業人材課
中小企業庁 企画課
【関連情報】
賃上げ税制について(METI/経済産業省)
令和6年度税制改正「賃上げ促進税制」パンフレット(2023年12月時点版)