ガンダムオープンイノベーションから見るイノベーション政策とは
TVアニメ「機動戦士ガンダム」は、1979年から放送されたロボットアニメで、玩具や映画やゲーム化など多種多様なメディアで展開されワールドワイドに人気を博しているタイトルです。物語では、人類が新たな技術を駆使して宇宙へと進出した「宇宙世紀」時代が描かれています。 この「宇宙世紀」を現実社会において新たに捉えなおし本気で挑戦する、バンダイナムコグループの「ガンダムオープンイノベーション」からイノベーション政策の展望を考えます。
ガンダムと未来技術を掛け合わせる
「ガンダムオープンイノベーション」とは、バンダイナムコグループが進めるガンダムを活用したサステナブルプロジェクトの一つ。ガンダムの時代背景「宇宙世紀(人類が宇宙へ進出してからの時代を指す記年法)」を現代社会に捉えなおし、社会課題の解決に向けた新しい発想や技術を募集する取り組みです。
アニメに基づく世界観でイノベーションを加速する
2023年12月1日に行われた国際ロボット展2023のステージでは、経済産業省とバンダイナムコグループが、ガンダムオープンイノベーションの取り組みを例にとりながら、アニメによる共通の世界観を通したイノベーションやスタートアップの加速について意見を交えました。
ガンダムオープンイノベーションは、ガンダムのコンテンツの世界観に共感した、革新的な技術やアイデアをもった人材が集うことで生まれました。ガンダムで描かれる宇宙世紀は、ひとつの理想像として、バックキャスティング(目標とする未来像から、実現までの道筋を現在へさかのぼる手法)によるイノベーション創出に寄与しています。
日本は、アニメに基づく世界観でイノベーションを加速するという新しいモデルを、その強みを生かして試すことができます。
経済産業省は、ガンダムオープンイノベーションのようなイノベーション創出の挑戦を後押ししていきます。
■GUNDAM UNIVERSAL CENTURY DEVELOPMENT ACTION(GUDA)キービジュアル
‘イノベーション循環‘を目指して
経済産業省では、スタートアップの支援、オープンイノベーション施策を通じて、更なる研究開発や人材への投資につながるイノベーション循環※を推進します。
イノベーション循環の進展により、企業などによる野心的なビジョンが描かれ、失敗を恐れず挑戦する人材が活躍できる、日本ならではのイノベーションのエコシステムが形成されることが期待されます。
※イノベーション循環:①社会・顧客の課題解決につながる革新的な手法(技術・アイデア)や既存手法の新たな組合せで新たな価値(製品・サービス等)を創造し、②社会・顧客への普及・浸透を通じて、③ビジネス上の対価(キャッシュ)の獲得、社会課題解決(ミッション実現)に貢献する一連の活動を、経済産業省が示したもの。
経済産業省 産業技術環境局 技術振興・大学連携推進課
【関連情報】
ガンダムオープンイノベーション
“イノベーション循環”が新たな価値を生み、持続可能な産業を創る(2023年6月、産業構造審議会産業技術環境分科会研究開発・イノベーション小委員会)
Prospects of Innovation Policies Presented through the GUNDAM OPEN INNOVATION Project|METI Quick Reads(英文記事)