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伝統的な技術の伝承などを後押し
経済産業省では伝統的な技術や技法の伝承、地域の経済発展や雇用の創出を支援するため、伝統的工芸品産業の振興に関する法律(伝産法)に基づく伝統的工芸品の指定を行っている。今般、「名古屋節句飾」を新たに指定し、伝統的工芸品は236品目となった。
原材料などの入手が困難に
伝統的工芸品産業は昨今のライフスタイルの変化や安価な輸入品の増大などにより、生産額や従業員数は1975年代をピークに減少傾向にある。近年の生産額については1,000億円程度で横ばいとなっている。これに連鎖するように伝統的工芸品の生産を支える原材料、多様な生産用具など生産基盤の需要も減少している。原因は天然資源の枯渇や生産用具を製作する人材の不足などによるものだ。
自治体との連携などにより
一方、伝統的に使用してきた原材料や生産用具にこだわることで品質のよい製品づくりにつながり、伝統的工芸品の付加価値となっていることから、自治体との連携による原材料調達の仕組みや道具屋との連携などで解決を行ってきている。原材料生産については人材の育成、生育環境の整備などにも取り組んでいる。また、近年は女性の伝統工芸士が増加傾向にあり、伝統的工芸品産業での女性の活躍が目立ってきている。
新たな試みで需要を獲得
今では伝統的な技術や技法を守りながら、現代のライフスタイルにあった商品、異業種やデザイナーとのコラボレーションにより、これまでにない商品を開発することで、新たな需要を獲得するといった動きがみられるようになっている。引き続き伝統的工芸品の指定などを通して、女性の活躍や地域産業の活性化といった観点からも伝統的工芸品産業を後押ししていきたい。
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