60秒早わかり解説

SNSの「つぶやき」から経済指標算出が可能に


 経済産業省と野村證券は、TwitterなどのSNSのつぶやきをAI技術によって収集・解析し、景況感や鉱工業生産指数を予測するシステムを開発した。

SNSを使った初の経済指標

 経済産業省では、様々な統計調査を行っているがSNSに基づく経済指標は初めての試み。指標は2種類。「SNS×AI景況感指数」ではTwitterから景況感に関するつぶやきを収集し、指数化した。もう一方の、「SNS×AI鉱工業生産予測指数」は、SNS上の「仕事量」に関する書き込み数を基にした、鉱工業生産指数の予測値である。

膨大すぎる「みんなの意見」

 SNS上には様々な人の生の声があり、これらを集めて政策や意思決定に用いることには大きな意味がある。しかし、膨大すぎる書き込みをヒトの目で見て全体の傾向を把握することは不可能で、これまで活用が難しかった。

深層学習技術を使ったSNSの解析

 この問題を克服するために、近年目覚ましい発展を遂げるAI技術、特に深層学習と呼ばれる手法を応用してSNSの書き込みを解析する技術を開発した。AIが膨大なSNSを自動で解析して指数を算出することが可能となった。

ビッグデータとAIが統計指標を改善

 従来の政府統計では調査に多くの人手を介するため、公表までに時間を要し、費用も大きいという課題があった。デジタル革命によって近年ではSNS以外にも様々なビッグデータがあり、今回のようなAI技術でそれを解析することで、統計指標がよりタイムリーに、精緻に、多様に発展していくことが期待される。

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