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特集:「経済産業政策の重点」を紐解く(1)
「新たな日常」の先取りによる成長戦略
9月30日、経済産業省は、「令和3年度経済産業政策の重点」を取りまとめた。この「重点」は、予算や税、法律、その他制度や規制の改革といった様々な手段を通じ、経済産業省が掲げる政策の大きな方向性を示し、社会の変革を実現するために重点的に取り組む事柄について、毎年公表しているものだ。過去に遡れば、経済産業政策の重点は、当時の経済・社会環境を反映しながら変化してきている。
令和3年度経済産業政策の重点
新型コロナウイルスの影響を受け、私たちの生活は大きく変わった。人の往来を極力少なく、人との接触を極力少なくするという制約の中、経済産業省は、事業と雇用を守る緊急的な対策を実施してきた。しかし、このような厳しい状況でも、守るだけでなく、攻めることが必要だ。ウイズコロナ・ポストコロナにおける「新たな日常」を誰もが意識をしている今こそ、日本経済が抱えてきた構造的問題を解決するチャンスと捉え、長期視点に立った日本企業の変革、産業構造の転換を図っていく。
具体的には、経済・社会のデジタル化、脱炭素化に向けたエネルギーの転換、健康な暮らしの確保。強靭なサプライチェーンの構築。中小企業の新陳代謝や地域経済の活性化、イノベーションを生み出す力と、それを支える人材の育成・強化。こうした取組を、国内のみならず、国際社会とも強調しながら実施する。もちろん、最重要課題である廃炉・汚染水対策や福島の復興にも全力で取り組んでいく。
シリーズ「経済産業省政策の重点を紐解く」では、この重点の中から複数のトピックを選び、解説していく。
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