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変革の好機を捉えて成長を遂げる中小企業・小規模事業者ー2023年版中小企業白書・小規模企業白書

中小企業庁は、2023年版中小企業白書・小規模企業白書を公表しました(書店にて発売中)。今年の白書では、中小企業・小規模事業者の動向に加えて、中小企業が変革の好機を捉えて成長を遂げるために必要な取り組みや、小規模事業者が地域課題を解決し、持続的な発展を遂げるために必要な取り組みなどについて、企業事例を交えて分析を行いました。

競合他社と異なる価値を創出する「戦略」と、構想と実行の核である「経営者」

中小企業白書では、企業の中長期的な成長に向けて、競合他社と異なる価値を創出するための「戦略」と、構想と実行の核である「経営者」に着目しています。戦略については、競合他社と異なる価値創出のあり方を反映した戦略の構想や実行を通じて差別化を図ることが重要であることを示しており(図1)、経営者については、経営者仲間との積極的な交流を通じて企業の成長意欲を喚起していくことが重要であることを示しています(図2)。

地域課題解決の取組に必要な「事業の社会的意義の検討・伝達」と「複数地域への展開」

地域における人口減少などの構造的な課題が顕在化する中、事業者による地域課題解決の取り組みへの注目度が高まっていることも踏まえ、小規模企業白書では地域課題解決の取り組みをテーマとして取り上げました。

収支の確保や円滑な資金調達は、地域課題解決を事業として持続的に取り組む上で必要です。こうした持続的な取り組みの実現に向けて、事業者はあらかじめ事業の社会的意義を検討した上で、その意義を資金提供者にも提示する(図3)とともに、自治体などとの連携を進めながら、複数地域への展開を図ることが重要と考えられます(図4)。

生産性向上の共通基盤となる「取引適正化」、「価格転嫁」、「デジタル化」、「伴走支援」

先を見通すことが困難な時代においては、個々の中小企業・小規模事業者の生産性向上などの前提となる社会基盤が重要です。こうした共通基盤として、取引適正化と価格転嫁、デジタル化、経営力再構築伴走支援を取り上げています。例えば、感染症前と比べ、デジタル化の取り組み段階は進展しつつあること(図5)や、経営力再構築伴走支援の取り組みを進展させるためには、支援ノウハウの蓄積が重要であること(図6)を示しています。

変革の好機を捉えて成長を遂げるために

2023年版中小企業白書・小規模企業白書(全文)では、本稿では紹介しきれなかった分析も数多く行っているほか、企業や支援機関の事例も豊富に取り上げています。ぜひご覧ください。

【関連情報】

中小企業白書(全文)

小規模企業白書(全文)

2023年版中小企業白書・小規模企業白書をまとめました

中小企業庁 調査室