統計は語る

7月の鉱工業生産は、国内・海外の受注減少等を受けて、全体として2か月ぶりの低下。基調判断は、「一進一退」に引き下げ。

7月生産は2か月ぶりの前月比低下

2023年7月の鉱工業生産は、季節調整済指数103.6、前月比マイナス2.0%と、2か月ぶりの低下となった。

これまでの生産の動向については、2月から4月にかけて、部材供給不足の影響緩和などを受けて、自動車工業等が上昇したことなどから、全体として上昇していた。

その後、5月は、それまでの上昇の反動に加えて、部材供給不足の影響などを受けて低下したものの、6月は、堅調な自動車工業等が上昇したことなどから、全体として上昇していた。

こうした中、7月は、国内・海外の受注減少等を受けて、生産用機械工業を始めとして多くの業種が低下したことなどから、全体として2か月ぶりに低下した。

10業種が前月比低下、5業種が同上昇

7月の鉱工業生産を業種別にみると、全体15業種のうち、10業種が低下、5業種が上昇という結果だった。

7月は、国内・海外の受注減少等を受けて、生産用機械工業を始めとして多くの業種が低下したことなどから、全体として低下した。

低下寄与度の最も大きかった生産用機械工業は、半導体製造装置や金型等が主な低下要因となっている。半導体製造装置や金型については、受注減少などを受けて、低下したものと考えられる。

出荷は2か月ぶりの低下

7月の鉱工業出荷は、季節調整済指数102.8、前月比マイナス2.1%と、2か月ぶりの低下となった。

業種別にみると、全体15業種のうち、10業種が低下、5業種が上昇となった。

7月は、これまでの上昇の反動などを受けて、自動車工業が低下したことに加えて、海外の受注減少等を受けて、生産用機械工業を始めとして多くの業種が低下したことなどから、全体として低下した。

低下寄与度の最も大きかった自動車工業は、普通乗用車や小型乗用車等が主な低下要因となっている。普通乗用車や小型乗用車については、これまでの上昇の反動などを受けて、低下したものと考えられる。

また、次に低下寄与度の大きかった生産用機械工業は、半導体製造装置やショベル系掘削機械等が主な低下要因となっている。半導体製造装置については、生産と同様の理由により、ショベル系掘削機械については、出荷のタイミングが前月に集中した反動などにより、低下したものと考えられる。

財の需要先の用途別分類である財別出荷指数をみると、非耐久消費財が前月比0.3%と上昇する一方で、耐久消費財が同マイナス7.0%、資本財(除.輸送機械)が同マイナス4.5%、生産財が同マイナス1.2%、建設財が同マイナス3.3%と低下した。

在庫は3か月連続の上昇

7月の鉱工業在庫は、季節調整済指数106.7、前月比0.9%と、3か月連続の上昇となった。

業種別にみると、15業種のうち、7業種が上昇、7業種が低下、1業種が横ばいとなった。

寄与度の最も大きかった自動車工業は、普通乗用車や小型トラック等が主な上昇要因となっている。

在庫率は2か月ぶりの上昇

7月の鉱工業在庫率は、季節調整済指数108.4、前月比2.9%と、2か月ぶりの上昇となった。

業種別にみると、15業種のうち、9業種が上昇、6業種が低下となった。

在庫循環図をみると、2021年第3四半期までは、「在庫積み増し局面」にあるが、第4四半期には、「在庫積み上がり局面」に達しており、2023年第3四半期(速)まで継続している。これまでの部材供給不足などによる生産減少の影響等が含まれているが、概ね「在庫積み上がり局面」に位置しているものと考えられる。

7月の生産の基調判断は、「一進一退」に引き下げ

7月の鉱工業生産は、前月比2.0%の低下となった。

これまでの生産は、2月から4月にかけて、部材供給不足の影響が緩和されたことなどを受けて、自動車工業を中心に上昇していた。

その後、5月は、これまでの上昇の反動に加えて、部材供給不足の影響などを受けて低下したものの、6月は、堅調な自動車工業等が上昇したことなどから、全体として上昇した。

こうした中、7月は、国内・海外の受注減少等を受けて、生産用機械工業を始めとして多くの業種が低下したことなどから、全体として低下した。

また、先行きに関しては、企業の生産計画では、8月と9月はともに上昇となっているものの、8月の補正値は前月比1.4%の低下を見込んでおり、ならしてみると一進一退の状況にあると考えられる。

こうした状況を踏まえ、鉱工業生産の7月の基調判断については、「一進一退」に引き下げる。

なお、今後は、世界経済の下振れや物価上昇の影響などについて、注視していく。

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参考図表集
マンガ「ビジネス環境分析にも使える!鉱工業指数(IIP)」