60秒早わかり解説

競輪。こんなスポーツ、他にないだろ?

画像提供:公益財団法人JKA

自転車競技に人生を賭ける「競輪選手」と呼ばれる方々がいることを知っていますか。全国に約2300人、競技別の人口では日本最大と言われるプロ集団です。70年以上の歴史がある競輪とは何か。10年前に立ち上がった「ガールズケイリン」の今は。2回に分けて紹介します!

日本発祥のプロスポーツ‘KEIRIN’

競輪は、戦後間もない昭和23年に生まれた日本発祥のプロスポーツ。世界選手権やオリンピックの正式種目にも採用されています。「Karaoke」や「Kawaii」と同様、日本語がそのまま「KEIRIN」として世界で通用します。レースが行われる「競輪場」は全国に43カ所あり、ほぼ毎日どこかの競輪場でレースが開催されています。

競輪は、経済産業省が所管する「自転車競技法」という法律に基づいて実施される「公営競技」です。収益金の一部は、地域の公設工業試験場への検査機器導入といった機械振興、さらには、健康診断で使われる検診車や車椅子のまま車に乗り降りができる福祉車両の整備といった公益事業振興に利用されています。

福祉車両などで見るシンボルマーク。競輪の売上げの一部が役立てられている。
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多様な経歴の選手がレースに挑む

陸上、スピードスケート、野球・・・。競輪界には多様な競技経歴を持つ選手が集まっています。それぞれの道で戦ってきたアスリート達が、今、競輪という土俵で相まみえます。

高校時代はボート(競漕)競技で活躍し、昨年競輪選手としてデビューした太田海也選手。自転車競技のナショナルチームメンバーにも選ばれている。
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レース中は全速力で自転車を漕ぐ時間が限られるため、前半は同県・同地区の選手同士で「ライン」と呼ばれる2~3名の集団を作り、なるべく空気の抵抗を受けないように走ります。各選手は自分が全速力で自転車を漕ぐタイミングをはかり、“行ける”と思ったタイミングで各選手が全速力でゴールを目指します。直前まで協力していたもの同士が一瞬でライバルに変わる、他のスポーツにはない競輪の魅力の一つです。

進化するスポーツ、競輪

競輪を「観るスポーツ」としてより楽しんでもらいたい。そんな思いからレースを新たな方法で撮影する、技術面の挑戦もスタートしています。

KEIRINグランプリで撮影された自由視点映像。レース中継では世界初の試みであった。
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高性能カメラで同時に撮影したデータを取り込み、瞬時にデジタル処理、3D映像を作りだす「自由視点映像」の技術です。昨年末に開催されたKEIRINグランプリシリーズの中継においては、実に117台の高性能カメラが使われました。時には選手の目線で、時には鳥が選手と一緒に併走するような目線で、迫力あるレース映像を楽しむことが可能となります。

競輪場に設置されたカメラ
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70年を超える歴史を積み重ねてきた日本発祥のスポーツ、競輪。「こんなスポーツ、他にないだろ?」のキャッチフレーズの下、競輪の新しい挑戦は続きます。

経済産業省 車両室

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