今月のヒトコト

風が運ぶ季節

 日本には、全国各地に様々な「風」があります。地域特有の風を「局地風」と呼ぶのだそうです。日本で一番有名な風は、「六甲おろし」でしょうか。関東では、「からっ風」が有名ですし、東北地方の「やませ」は、小学校の頃の社会科の頻出ワードでした。

 この時期、話題の風といえば、春一番。気象庁の定義によれば、「2月4日ごろの立春から3月21日ごろの春分までの間に、広い範囲で初めて吹く、暖かく、やや強い南風」。地域ごとに違いがあるんだそうですが、春一番と認定する風速まで細かく決まっているという、日本人にとって大事な風です。昨年2021年は、関東で観測史上最も早く、2月4日に春一番が吹いたことも話題になりましたね。
 子供の頃から、春一番はあって、夏一番や秋一番がないのはどうしてなんだろう、と余計な疑問を抱いてきましたが、裏を返せば、風が運んでくる季節は、四季のうちで春だけ。厳しい冬の間、嫌われ者の風が最後に暖かい春を運んでくることを思えば、冬のやつ、ああ見えて意外といいところあるじゃないか、と、急に冬が恋しく思えたりもして(ついでに運んでくる花粉は嬉しくありませんが)。

 そして、風とは、いつの時代も、難局を切り開き、勝ちを引き寄せる重要な役目を果たすもの。三国志の名場面・赤壁の戦いで、諸葛亮孔明が劉備軍を勝利に導いた火攻めの鍵となったのは「東南の風」でした。まさに、諸葛亮孔明の風を読む力が、今も語り継がれる歴史の名場面を作ってきました。
 仕事でもプライベートでも、風を読み、風に乗り、高い壁を越えていきたい。季節を運ぶ風にのせてお送りする今月の特集は、今やビュンビュンと吹きつけるビジネスの風にフォーカスします。

 SDGs目標14・海の豊かさを守ろう。
 海岸の漂着ゴミ、川や海に沈んでいくゴミの多くがマイクロプラスチックとして分解されぬまま残り続ける「海洋プラスチックごみ」の問題は、世界的な環境問題の1つで、国内外での対策が急務となっています。その対策の1つとして2020年7月に実施されたレジ袋有料化は記憶に新しいですが、今や、買い物にマイバッグは当たり前になってきました。
 そして2022年4月、プラスチック対策はもう一段先へ進みます。「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」の施行に伴って、レジ袋だけでなく、様々な製品の製造、提供、そして廃棄やリサイクルまで、あらゆる面でプラスチックの取り扱いを工夫していくことが求められるようになります。事業を営む側からも、プラスチックを使う側からも、私たちの生活を大きく変えていくことになるはずです。

 この風を生かすか殺すかは、私たち次第。風を上手に受け、風に乗っていくために大事なことは、風を知ること。METI Journalオンラインが、皆様の風見鶏として、向かうべき方向を知るヒントになることを願っています。
 
 

経済産業省広報室/METI Journalオンライン編集チーム

 
 
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