60秒早わかり解説

海上でも100年腐らないレアメタル

日本のものづくり産業の底力


 冒頭の写真に写る建造物は、何だかわかるだろうか?羽田空港のD滑走路だ。海の近くでも腐らないよう、滑走路の下側は、チタン製のカバープレートで覆われ、100年保つよう設計されている。

日本製チタンは世界の2割のシェア

 チタンは、軽くて耐久性があり、錆びにくいなど優れた特性があるため、腕時計や眼鏡など生活用品をはじめ、航空機や建築資材など様々な分野において活用されている。日本は、このチタンの製造技術で世界をリードしており、世界で生産される金属チタンの約2割は日本製だ。

レアメタルは、産業の「ビタミン」

 チタンのように、流通量や使用量が少ない金属はレアメタル(希少金属)と呼ばれ、携帯電話、医療機器、液晶パネル、ハイブリッドカーなどに使用されている。産業の「ビタミン」として国際競争力を有する日本のハイテク産業を支えるとともに、日本経済の根幹を支えている。

海外に依存する供給源

 しかしながら、日本はレアメタルの大部分を海外からの輸入に依存しており、その産出国も特定の国に偏在し、こうした資源国の政策動向に大きく影響を受けている。このため、レアメタルを含む鉱物資源の安定供給は、日本のものづくり産業の国際競争力を維持・強化する上で最重要課題となっている。

安定供給へ向けた取組

 経済産業省では、国内外における鉱物資源の確保に取組むほか、レアメタルを含む廃棄された小型電子機器を回収し再利用を進めている。また、代替材料の技術開発を行うなど供給源の多様化にも取組んでいる。

【関連情報】
非鉄金属産業戦略(2016年)(PDF形式:4,725KB)