今月のヒトコト

「シンプル」を突き詰める

 素粒子物理が好きです。理系ではありますが、素粒子物理を特別深く学んだわけではなく、詳しいことはわからないので、単純にニュースとして流れてくる情報を楽しむ程度のものですが。「趣味はスポーツです、自分ではやらないけど、見る専門」という、あれ。

 素粒子とは、この世の物質を構成する最小単位のこと。中学校の理科の授業で、「物質は原子からできている、原子は原子核と中性子と電子からできている」と習いましたが、私たち自身も、私たちの身の回りのモノも、「ほんの何種類かの、すごく小さなもの」からできているというのは、驚きでした。原子核や電子も、さらに小さい「素粒子」でできていることが分かっているのですが、一体何種類の素粒子が存在しているのか、それら素粒子がどんな性質をもち、相互作用をしているのか、完全には解明されておらず、研究が続いているんだそう。そして、素粒子たちの相互作用が、世の中のあらゆる力や物理を説明する統一理論に繋がっていく。
 「世の中の物質をどんどん小さく分けていこう」というシンプルな発想を突き詰めた先に、この世の全てをあらわす理論が生まれるなんて、ロマンがありますよね。

 「本業が持っている強みを深化させることが、新しい事業の探索に繋がる。」
 先日公開した「HOTパーソン」インタビュー記事からの抜粋です。アレコレと思い悩んでもなかなか見つけられない答えは、意外にも目の前のシンプルな発想から生まれる、なんてことがあるのかもしれません。

 METI Journalオンライン・9月の政策特集は、地域における「スポーツクラブ産業」の可能性を探ります。子供時代に誰もが経験した、学校の部活動。今思えば、先生たちって本当に大変ですよね。昼間は数学や歴史を教え、夕方は野球部の監督に早変わり。

 でも、今思えば、どうして数学や歴史の先生が、運動部を指導するのでしょう?一体、あの先生、何が専門だったの…?

 そんなシンプルな疑問から、「地域×スポーツクラブ産業」のストーリーは始まります。実は、運動部の部活動指導者の半数近くが、体育以外の教科を担当し、競技経験もない先生。こんな些細な事実に、地域経済の成長のエンジンが眠っているかもしれないのです。

 METI解体新書のコーナーでは、経済産業省という組織を「解体」し、職員が政策の裏側を語っています。今月フォーカスするのは、「秘書官」という仕事。企業でいうところの「重役秘書」でしょうか。大臣や副大臣など、トップの事務を補佐する裏方で、インタビューを受ける閣僚などの斜め後ろで、気配を消して(?)たたずむ人たちをテレビで見たこと、ありませんか。そんな秘書官の日常に迫ります。

 長引くコロナ禍、テレワークがすっかり板につき、自宅のWi-Fi環境や座布団がみるみるグレードアップしています。内向きに籠りがちな毎日ですが、METI Journalオンラインでは引き続き、世界の話題から身近なテーマまで、経済産業の「なるほど!」をお届けしていきます。今月もどうぞよろしくお願いします。
 

経済産業省広報室/METI Journalオンライン編集チーム

 

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