60秒早わかり解説

特集:「経済産業政策の重点」を紐解く(2)

安心して生活できる環境の確保


 新型コロナウイルス感染拡大により、国内外でマスク・アルコール消毒液・検査機器等の物資の需要が高まった。国内でも物資の不足が発生し、経済産業省では、企業の方々にマスク等の物資の増産をお願いするとともに、そのための設備導入の支援を実施してきた。

国民の命を守る物資の確保

 感染の拡大防止を行いながらの生活が長期化する中で、国民の命を守る医療用物資の供給を確保することが重要だ。海外からの輸入が多かったこれらの物資については、国内での生産体制の構築が欠かせない。そのため、マスク・アルコール消毒液・検査機器等の物資やその生産に必要な部品・素材の増産の要請にご協力をいただける事業者の方が生産設備の導入等を行う際の支援を行っている。加えて、人工呼吸器や透析装置等の海外製の割合が高い高度医療機器に関しても、異業種の参入も促し、国内に医療機器の開発・製造の体制の構築を進めている。

サプライチェーンの強化

 また、世界規模での感染拡大により、国をまたいでの移動や取引に支障が生じ、これまでの国際的、経済的な合理性のもと構築されてきた国際的なサプライチェーンの分断リスクが浮き彫りとなった。医療用物資に限らず、重要な物資の生産や開発の拠点が海外の特定の地域に集中している場合は、安定的な供給確保のため、万が一に備えた対応が必要だ。
 そのため、国内に生産拠点等を整備する企業や海外拠点の多元化を図る企業の工場建設・設備導入への支援を実施している。このように、網の目のような強靭性や復元力を持った「サプライネット」の構築により、安心して生活できる環境を構築していく。

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