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水素ドローンの安全な活用へ向けて

ガイドラインを策定しました

出典=株式会社プロドローン


 水素燃料電池ドローン(水素ドローン)はバッテリーを搭載したドローンと比べると長時間の飛行が可能となるため、災害対応や物流などで大きな需要が見込まれている。一方、水素を貯蔵する高圧ガス容器が搭載されるため、高圧ガス保安上の課題を解決する必要があることから、経済産業省はガイドラインを取りまとめた。

長時間の飛行を実現するには

 現在は多くのドローンではリチウムイオン電池などのバッテリーが動力源として使用されているが、バッテリーの容量が限定されることから飛行時間の制約を受けている。より長時間の飛行を可能とするため代替の動力源として太陽光発電などの開発が進められているが、そのうちの一つが水素燃料電池だ。しかし、高圧ガスを取り扱うことによる特有のリスクを考慮する必要があった。

両面から安全性の確保を

 このため、今回、取りまとめた「水素燃料電池ドローンにおける高圧ガスの安全のためのガイドライン」では、ドローン落下時の衝撃を緩和する措置など“モノ”の安全性と、ドローンの活用にあたって衝撃を生じさせ得る行為をしないという“行為”の安全性の双方を要求している。これにより、水素ドローンの製造者・販売者はドローン自体の安全性に加えて、ユーザーの利用を含めた安全性の確保が求められる。

さまざまな用途で安全な利用を期待

 このガイドラインに基づき、より長時間の飛行を可能とする「水素ドローン」が何よりも安全に飛行し、活用されることが重要だ。ドローンの利便性が向上し、様々な用途で使用が可能となることを期待したい。

【関連情報】

「水素燃料電池ドローンにおける高圧ガスの安全に関するガイドライン」を策定しました