統計は語る

製造工業の生産計画 3月は前月比低下の公算大きく

新型コロナの影響は十分織り込まれず

 
 本年2月上旬に実施した、2月、3月の企業の生産計画を調査した、生産予測調査の結果である。
 2月の生産計画については、調査結果そのままを集計すると、前月比5.3%の上昇を見込むという結果になっている。ただ、この企業の生産計画には上方バイアスが含まれている。この2月計画値に含まれる上方バイアスを補正して、2月の鉱工業生産の実績を推計試算してみると、例年の傾向に基づく最頻値では、前月比2.0%程度の上昇という計算結果になる。90%の確率で収まる範囲は、1.0%~3.0%の間となっている。
 3月の生産計画は、補正前の2月計画値から前月比マイナス6.9%低下する計画となっている。実際には、2月の生産が計画値を下回ると、2月に生産できなかった分が3月に生産されることもあるため、現時点では判断が難しい面もあるが、3月の鉱工業生産は、2月比で低下が見込まれる。
 今回の調査結果については、2月当初の生産計画に基づくものであるため、新型コロナウイルス感染症の影響は十分には織り込まれていない。そのことに留意して今回の調査結果をみる必要がある。

2月は9業種で上昇の計画

 2月の生産計画では、全体11業種のうち、9業種が前月比で上昇、2業種が低下となっている。電子部品・デバイス工業、化学工業、輸送機械工業などが上昇寄与業種として挙げられる。
 他方、低下寄与業種は、汎用・業務用機械工業、石油製品工業となっている。

3月計画は一転、10業種が低下

 3月の生産計画では、2月から一転し、全体11業種のうち10業種が前月比で低下、1業種が上昇となっている。生産用機械工業、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業などが低下寄与業種となっている。
 他方、上昇寄与業種はパルプ・紙・紙加工品工業となっている。

2月、3月を通してみると

 この先行き2か月の生産計画を通して業種別にみると、低下業種の方がやや多く、3月までみれば、生産は低下する姿となっている。

 なお、仮に企業の生産計画通りの前月比で生産が行われると、2月の指数値は104.9、3月の指数値は97.7となる。
 ただ、2月計画に含まれる上方バイアスを例年の傾向に基づき補正すると、2月は最頻値で前月比2.0%となり、その場合の指数値は101.6となる。90%の確率で収まる範囲は1.0%~3.0%となっており、実際の2月の生産は、上方バイアスを除いても、1月の水準より上昇する見込みの方が高い計画となっている。ただ今回の調査結果には、冒頭述べたように、新型コロナウイルス感染症の影響は十分には織り込まれていないため、例年の傾向以上に下振れする可能性もある。
 また3月は、2月比で低下の見込みは高いと考えられ、また生産水準は1月より低下する見込みの方が高いものと考えられる。
 鉱工業生産は、10月、11月と大きく低下した後、12月、1月と上昇が続きたが、企業の生産計画では、今後、3月までみれば再び低下の可能性が高いと考えられる。ただし、今回の生産計画には、新型コロナウイルス感染症の影響は十分には織り込まれていないため、今後、実際の生産は見通しから大きく変わる可能性もある。来月以降の生産動向も引き続き注意してみていきたい。

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参考図表集

マンガ「ビジネス環境分析にも使える!鉱工業指数(IIP)」