60秒早わかり解説
「グローカル成長戦略」地方の中小企業と世界市場の直結を
人口減少や人口規模が小さいなどの「人口制約下では成長できない」という固定観念を打破すべく、「グローカル成長戦略研究会」(座長、滝波宏文経済産業大臣政務官)を開催し、「グローカル成長戦略」を策定しました。
人口と関係なく成長する世界の地方
米国のシリコンバレーは、世界的なIT企業の本社が集積していますが、その本社の所在地は人口10万人前後の市がほとんどです。また、ドイツのハイルブロン=フランケン地域は、人口90万人足らずの地方ですが、製造業の売上高に占める海外比率が 50~70%と高く、世界と繋がることで経済成長を実現しています。
世界の成長を取り込むことで成長を
日本の中小企業における輸出企業の割合は5%に過ぎません(独 25%、英 20%、仏 10%)。グローバルな世界市場とローカルな農林水産業を含む地方産業を大都会を通さずに直結させ、地方のビジネスの国際化を進めることが必要です。
中堅・中小企業だからこその利点
フロントランナーとして自ら成長モデルを切り開いていく時代には、特定分野への集中はリスクを高めます。日本経済の「ダイバーシフィケーション(diversification)(多様化・リスク分散)」を高めることが重要です。この点、地方や中小企業が伸びることは、産業の多様化に繋がります。また、ダイナミズムのある経営判断は、一般的に大企業よりも中小企業の方が得意とするところです。
このような考え方の下、①中小企業の製品輸出(技術力・経営力・人材)、②農林水産物・食品の輸出、③インバウンドの取込み、の観点から諸施策を取りまとめ、戦略を策定しました。