60秒早わかり解説
普及が進む家庭用RO浄水器をどう選ぶ
日本の水道水は湖や河川の水を水源としているが、湖や河川には病原性微生物などの生物が存在していることから、浄水場で有害物質を取り除き、最後に塩素消毒している。このため日本の水道水は安全性が高く、そのまま飲めるが、消毒用の残留塩素のにおいや、基準値以下であっても有害物質の混入が気になる場合にこれらを末端において低減、除去する目的で浄水器が使用されている。
産業用が家庭用にも普及
浄水器の中には海水を淡水化するために開発された逆浸透膜(Reverse Osmosis Membrane)を利用したRO浄水器と言われる非常に高性能なものがある。これまで主に産業用として使われてきた技術だが、近年の消費者ニーズの多様化などを背景に、RO浄水器が家庭用としても使用されるようになった。このため消費者が安心して浄水器を選択・使用できるようにする必要性があった。
消費者ニーズに合わせて策定
今まで一般的であった、ろ材を用いた家庭用浄水器についての日本工業規格(JIS)はあったが、RO浄水器は対象となっていなかった。このため、家庭用のRO浄水器の普及が進むのに合わせて、品質(浄水能力など)や試験方法、維持管理などの基準をJISとして策定した。
安心できる環境整備に期待
今回策定したJISには消費者から問い合わせが多かった、逆浸透膜によって除去するひ素(五価)、硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素の除去性能の試験方法も附属書に盛り込んだ。これを契機に消費者が浄水器を購入する際、品質や性能の把握が可能になること。維持管理においても安心して使用できる環境整備の促進、粗悪品の流通の抑制につながることを期待したい。
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