統計は語る

2月のサービス産業活動指数は横ばい。基調判断は「一進一退」に据え置き

2月の第3次産業活動指数は、前月比横ばい

2025年2月分から2020年基準へと切替えを行った第3次産業活動指数(サービス産業活動)だが、2月は2019-2020年平均=100の指数値で104.2、前月比0.0%と横ばいとなった。

これまでのサービス産業活動は、2024年10月が低下、11月が横ばい、12月、2025年1月と2か月連続で上昇となった後、2月は、「金融業、保険業」、「生活娯楽関連サービス」などの業種が上昇した一方、「情報通信業」、「運輸業、郵便業」などの業種が低下したことから、全体として横ばいとなった。

業種ごとの動向

2月の業種別の動きをみると、10業種中、5業種が前月比上昇、5業種が同低下となった。

2月は、「金融業、保険業」、「生活娯楽関連サービス」などの業種が上昇した一方、「情報通信業」、「運輸業、郵便業」などの業種が低下したことから、全体として横ばいとなった。

「金融業、保険業」は、前月比2.9%と上昇した。内訳業種では「銀行業・協同組織金融業」が上昇に寄与した。また、「生活娯楽関連サービス」も、前月比2.3%と上昇した。内訳業種では「娯楽業」が上昇に寄与した。一方で、「情報通信業」は、前月比マイナス3.4%と低下した。内訳業種では「情報サービス業」、「通信業」等が低下に寄与した。また、「運輸業、郵便業」は前月比マイナス2.7%と低下した。内訳業種では「道路貨物運送業」、「運輸に附帯するサービス業」等が低下に寄与した。

『対個人/対事業所サービス』の動向

サービス産業活動指数は、大きく「広義対個人サービス(以下対個人サービス)」と「広義対事業所サービス(以下対事業所サービス)」に分けることができる。

2月は、対個人サービスが、指数値106.2、前月比0.7%と4か月連続の上昇、対事業所サービスが、指数値103.3、同0.0%と横ばいとなった。

『製造業/非製造業依存型事業所向けサービス』の動向

対事業所サービスは、製造業の取引先が多いか、そうでないかによって、「製造業依存型」と「非製造業依存型」に分けることができ、それぞれの指数を計算している。

2月は、製造業依存型事業所向けサービスが前月比1.3%と上昇、非製造業依存型事業所向けサービスが同マイナス0.3%と低下した。

『非選択的/し好的個人向けサービス』の動向

対個人サービスは、生活必需的な性質で変動が相対的に少ないと考えられる「非選択的サービス」と、選択性が高く所得環境や経済情勢等の影響を受けやすいと考えられる「し好的サービス」に分けられ、それぞれの指数も計算している。

2月は、非選択的サービスが前月比マイナス0.2%と低下、し好的サービスが同5.2%と上昇した。

2月時点の基調判断は、「一進一退」に据え置き

2月のサービス産業活動指数は、「金融業、保険業」、「生活娯楽関連サービス」などの業種が上昇した一方、「情報通信業」、「運輸業、郵便業」などの業種が低下したことから、全体として前月比0.0%と、横ばいとなった。

また、2024年10月が低下、11月が横ばい、12月、2025年1月と2か月連続で上昇、そして2月が横ばいとなっており、均してみると、引き続き一進一退の状態にあると考えられる。

このため、サービス産業活動指数の2月の基調判断については、「一進一退」に据え置く。

なお、今後は、物価上昇による取引量への影響などについて、注視していく。

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参考図表集
マンガ「就職にも使える!第3次産業活動指数」