
【万博60秒解説】世界に向けて、日本の食の魅力を発信! 未来型レストランの注目ポイントはここだ①(養殖魚も、寿司チェーンも超進化型)

くら寿司のメニュー
まもなく開幕する大阪・関西万博で華やかなパビリオンやイベントなどと共に楽しみなのが「食」。会場内には、未来、文化、技術といった万博らしいテーマを体感できるグルメスポットが目白押しです。「食」の視点から大阪・関西万博の見どころを2回に分けてお伝えします。
未来に向けたレストランが勢ぞろい!
大阪・関西万博の会場には、海外パビリオンの併設のレストランを含めると約100のグルメスポットが登場します。なかでも、注目したいのが食の未来を予感させるグルメ施設。「未来型営業施設」、「未来型チャレンジショップ」、「EARTH TABLE~未来食堂~」、「サスティナブルフードコート」とテーマごとにエリアが用意されています。
「養殖」で水産資源の枯渇への解決策を提案!
乱獲や気候変動による海水温の上昇などで水産資源の枯渇が大きな問題となる中、「未来型営業施設」のエリアには、この問題をメインやサブのテーマにしたレストランが複数登場し、日本の食文化を未来につなぐための提案をしています。

「近大卒の魚と紀州の恵み 近畿大学水産研究所 大阪・関西万博 ウォータープラザ」店内
マグロを始めこれまで困難とされていた魚種の養殖を成功させ、日本でも最先端の研究を行っているのが近畿大学です。その近畿大学がサントリーとともに運営にあたるのが「近大卒の魚と紀州の恵み 近畿大学水産研究所 大阪・関西万博 ウォータープラザ店」。ここでは有名な「近大マグロ」のほか、「サラブレッド魚」を使った料理もメニューに登場します。
「サラブレッド魚」とは近畿大学の造語で、2種類の魚を近畿大学の優れた技術で掛け合わせて、それぞれの長所を引き出した魚たちのこと。淡泊で上品な味わいのクエタマ(クエ×タマカイ)、ブリのうま味とヒラマサの歯ごたえを兼ね添えたブリヒラ(ブリ×ヒラマサ)、食感にも味にも優れたキンダイ(イシダイ×イシガキダイ)など、実際に味わうことができます。

スシロー未来型万博店の「陸上育ちの磯まもりウニ包み」「陸上育ちの〆サバ」「陸上育ちのビカーラうなぎ」
2020年のドバイ万博にも出展した回転寿司ブランドのスシローも「水産資源が枯渇するなかで、養殖に力を入れていく必要があることをみなさんに知っていただく機会にしたい」(担当者)と力を入れています。「スシロー未来型万博店」では、約150種用意するメニューすべてに養殖で育てた水産物を使用。特に、ウニ、サバ、ウナギなどは、陸上養殖などの先端技術を用いて養殖したものをラインアップします。「例えばウニは、繁殖力が強く、増えすぎると海草がなくなって海が涸れていく磯焼けの原因となります。捕ってきたウニを陸上で育てて提供すれば、お客様は食べることで環境保全に参加できるのです」とも。

くら寿司 大阪・関西万博店の各国料理「コソボ共和国のチョフテ」「スロバキア共和国のカリフラワーナゲット」「チリ共和国のエリソス」など
一方、「世界中の方々に回転寿司の良さを知っていただき、世界に出ていくきっかけにしたい」というのが、「くら寿司 大阪・関西万博店」。約135メートルの回転ベルトを設置することやその回転ベルト上を万博に参加する約70カ国のご当地料理が回ることで話題になっています。こちらも寿司メニューの魚介には養殖の水産物を多く使用するほか、日本で初めて国産的基準のオーガニック水産物としての認証を取得した「オーガニックはまち」など、サステナブルメニューも用意しているといいます。
世界的に人気の日本の回転寿司だからこそ、陸上養殖など日本の取り組みを海外の人たちに知ってもらえる機会を提供できるととらえているようです。
未来型レストランの注目ポイントはここだ②に続きます!
◇今回チェックしたグルメ店◇
未来型営業施設
・近大卒の魚と紀州の恵み 近畿大学水産研究所
大阪・関西万博ウォータープラザ店
・くら寿司 大阪・関西万博店
・スシロー未来型万博店