
【万博60秒解説】この海外パビリオンがすごい⑦
~経済産業省担当者が選ぶ、来訪おすすめセレクション~
まもなく開幕する大阪・関西万博。会場内には、160を越える国や国際機関のパビリオンが立ち並びます。経済産業省の万博担当者が海外パビリオンを独断と偏見で紹介していく第7弾。今回は、訪れると、その国の風景に恋してしまう「風景推し」パビリオンです。
オマーンの「赤い大地」と「水」と「人」

アラビア半島の東端にあるオマーン。中東の国であることもあり、「砂漠」のイメージが強くあるかもしれません(国土の8割は砂漠!)。実際には、南北に山地があって、南部にはモンスーンの影響で雨期もあり、緑ある国土です。オマーンの「風景」に、オマーンの「人の心」を投影した建物。それがオマーン・パビリオン。敷地の中央には、特徴的な赤い建物と屋外スペースの間にはガラスの天井があり、そこに水路が作られています。自然光が透過する水の流れは、オマーン人の生き方を象徴するのだとか。万博という機会がなければ、普段はあまり意識に上がらず、出会うことがないかもしれないオマーンの人々。その未知なる出会いをお楽しみください。
カナダの「アイスジャム」と雪解けの暖かさ

カナダのパビリオンは、白い幾何学模様の立体が特徴的。これはカナダで見られる「アイスジャム」(河川に流れる氷が固まる自然現象)を表現しています。これらの構造物は、川面の氷が溶けて流れることで生まれる「はかなさ」も表しているのだそうです。外からの見た目だけからは寒さに凍えてしまいそうですが、どうぞ、ご心配なく。パビリオン内では、カナダの革新性、多様性、創造性、持続可能な社会に関する取組など、カナダの「あたたかさ」を紹介します。来館者は、きっと、雪解けのようなあたたかい気持ちになれることでしょう。
サンマリノの「山」は誇りの源

(出典:IPMパビリオンショーケースフォーラム資料)
サンマリノは、イタリア半島の中東部に位置する小国。国土面積は61.2平方キロメートルあまりで、世田谷区とほぼ一緒。サンマリノ館は、その小さな国が位置するティターノ山脈からインスピレーションを受けて作られています。来館者はサンマリノの地形の美しさを、「触覚」(山を感じる)、「聴覚」(日常の音を聞く)、「視覚」(地平線を眺める)という3つの異なる感覚体験を通じて感じることができます。なお、サンマリノは、現存する「世界最古の共和国」として知られており、1700年間、一度も戦争をしていないことを誇りとしているそうです。万博を通じて、分断する世界を繋いでいく。そうした役割にも期待が集まります。
今回は、「大地」、「河川」、「山」といった、各国が誇りにする「風景」に着目したパビリオンを紹介しました。それぞれの国には、それぞれの風土があります。そこにどのような自意識や文化を重ね合わせていくのか。まさに各国の歴史観がにじみでるような展示も、要注目です。
経済産業省 博覧会推進室
【リンク先】
大阪・関西万博 海外パビリオン
オマーンパビリオン(国際博覧会協会公式サイト)
カナダパビリオン(国際博覧会協会公式サイト)
サンマリノパビリオン公式サイト