大阪・関西万博特集

【万博60秒解説】世界最大級「大屋根リング」に出会う感動体験をぜひ

まもなく開幕する大阪・関西万博。会場中心に設置された「大屋根リング」は、間違いなく今回の万博のシンボルとなる建築物です。このリングの一体どこがスゴいのか? いくつかの観点から、改めて整理して説明します。

「世界最大(級)の木造建築」

大屋根リングは、直径が約600メートル、全周は約2キロメートル。高さは外径部で約20メートル。世界最大級の木造建築です。(「級」と表現していますが、実際にこれより大きな建築物が実際に確認されている訳ではありません。もしかしたら未確認のより大きい建築物があるかもしれない、ということで、念のため「級」と付けています。)

「上から見た眺望」と「下での憩い」

屋根の上からは、会場全体を見渡すことができ、リングの外に目を向ければ、瀬戸内海の豊かな自然や夕日を浴びた光景、大阪の街並みなど、海と空に囲まれた万博会場の全景を見渡すことができます。リング下は、会場移動の主動線となるだけでなく、雨風や日差しを遮り、快適な空間を作り出す役割を担います。

「多様でありながらひとつ」を表現

世界各国の建設したパビリオンは、すべて大屋根リングの内側に配置。リングの上から会場全体を眺め、リングが描く大きな輪を「地球儀」だと見立てれば、世界各国をその中に包摂しているようにも感じられます。

万博は、世界の今を切り取る鏡。分断に向かっているとも表される世界を、リングが繋ぐ。世界各国は様々な歴史と文化に彩られた独自の存在でありながら、人類の故郷である地球は一つ。そうした「多様でありながらひとつ」というコンセプトを体現するのが、この大屋根リングでもあるのです。

日本の「伝統」と「革新」の融合

リングを下から見上げると、あまたの木材が美しく組み合わされて支える構造になっていることが分かります。釘などは基本的に使わず、リングの柱をくり抜いた開口部に梁を「差し込む」形になっており。京都の清水寺に代表される「貫(ぬき)工法」と言われる工法を基にした建築技術が用いられています。

昨今、世界的に木造建築の価値が見直されており、高層建築にコンクリートではなく敢えて木材を使うといった動きも見られます。そうした最新の動向を踏まえつつ、伝統的な工法に最新の技術を織り交ぜて、大屋根リングは建築されているのです。そして、歩行できるリング上部のスロープには、四季折々の植物が植えられ、四季の移ろいを感じることができるように工夫がなされています。

万博期間中は、このリングを中心に、周囲で様々なイベントが開催されます。夜にはライトアップされ、光と音の織りなすショーも毎晩予定されます。会期後の取扱いはまだ未定ですが、現在、有効活用の可能性を検討中です。閉幕後にリングがどのような形で生まれ変わっていくのか。ご関心を持っていただきたいポイントの一つです。

経済産業省 博覧会推進室

【リンク先】
2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)会場のシンボル「大屋根リング」がひとつにつながりました
大屋根リングの閉会後の利活用に関する提案募集結果について