大阪・関西万博特集

【万博60秒解説】万博を支える地域企業をご紹介! ~東北局発:大屋根リングを形づくる福島県産木材~

万博を飛躍の機会と捉え、様々な取り組みを進める地域企業をご紹介する本企画。第2弾は東北局からお届けします。

万博会場のシンボル「大屋根リング」。世界最大級の木造建築物を形づくる木材には、東日本大震災から復興を進める、福島県沿岸の浪江町での林業・木材産業再生復興ストーリーがあります。

大震災から林業・木材産業の再生復興

東日本大震災によって全町避難を余儀なくされた福島県浪江町。震災から7年目の2018年に、同町の朝田木材産業と郡山市で集成材事業を手がける藤寿産業が合弁でウッドコアを設立したのが、浪江町での林業・木材産業再生復興のはじまりです。

国内最大級の集成材工場が浪江町に

ウッドコアは、福島イノベーション・コースト構想のもと浪江町が整備した最先端工場「福島高度集成材製造センター(FLAM:エフラム)」を運営。福島県産木材を中心とした原木を板にし、接着(積層)した集成材は安定した強度を持つため、大規模な木造建築物に採用されています。

大屋根リングを歩きながら復興に思いを

エフラム本格稼働後の大仕事は、万博のシンボル「大屋根リング」への大断面集成材の提供です。万博のシンボルともいえる大屋根リングを浪江町の木材が支えています。世界の来場者が、1周2km高さ20mもあるリングの上を歩きながら、ものづくり技術とともに、福島の復興に思いをはせてくれることを願います。

ゼロカーボンシティ実現に向けて

浪江町は、CO2排出ゼロを目指す「ゼロカーボンシティ」を宣言しています。環境と調和する木材の活用(※)にも期待が高まっており、JR浪江駅前の再開発では木材をふんだんに使った建築が進んでいます。万博で世界にお披露目される福島県産木材を見る機会は益々増えそうです。

※木材は、製造時のCO2排出減に寄与する省エネ資材であり、CO2を吸収・貯蔵する効果があります。「伐る、使う、植える、育てる」というサイクルを通じた木材のエネルギー利用は、大気中のCO2濃度に影響を与えない「カーボンニュートラル」な特性を有しており、資材として利用できない木材を化石燃料の代わりに利用すれば、化石燃料の燃焼によるCO2の排出を抑制することにもつながります。

東北経済産業局 企業成長支援課

【リンク先】
福島イノベーション・コースト構想