生活必需品的、インフラ的サービスが下支え
前月比上昇の7月のサービス産業活動指数
2018年7月のサービス産業(第3次産業)活動指数は、指数値105.7、前月比0.1%と2か月ぶりの上昇だった。上昇幅は小さく、ほぼ横ばいという状況だ。
その指数値は、2014年3月の消費税率引き上げ直前の105.5(これは、昨年11月、12月の水準)を上回る。前年同月比も17か月連続上昇が続いており、比較的高い水準を維持しているといえるだろう。
6月の比較的大きめの低下はあったが、そのまま下げ続けるということにはならなかった。
「医療、福祉」などが寄与
7月の業種別の動きみると、全11業種のうち、7業種が前月比上昇、4業種が前月比低下だった。
上昇業種の内で、上昇寄与が比較的大きかった業種は、「医療,福祉」、「金融業,保険業」、そして電気・ガス・熱供給・水道業の3業種。低下業種については、生活娯楽関連サービス、「運輸業,郵便業」、そして卸売業の低下寄与が大きくなっていた。
上昇寄与の大きかった業種は、生活必需的性質の強い「医療,福祉」やインフラ型の「金融業,保険業」、電気・ガス・熱供給・水道業となった。また、「医療,福祉」と電気・ガス・熱供給・水道業の指数値は本年で最も高い値で、「金融業,保険業」は本年で2位の指数値となった。
第3次産業全体の動きが小さいなかで、これらの生活必需的、インフラ的業種の安定した動きが、表面化してきた形だ。
対個人、対事業所サービスの動向は
サービス産業活動指数は、大きく「広義対事業所サービス」と「広義対個人サービス」に分けることができる。
7月の対個人サービス活動指数は、指数値105.7、前月比横ばいだった。対事業所サービス活動指数は、指数値105.4、前月比マイナス0.4%と3か月連続の前月比低下となった。勢いの弱くなっている対事業所サービスの動きに対し、水準を維持している対個人サービスという関係になり、この対個人サービスが水準を維持していることで、第3次産業全体の水準が維持されているということになる。
7月の対個人サービスの中では、し好的個人向けサービスが前月比マイナス0.3%と2か月ぶりに低下となった一方で、非選択的個人向けサービスが前月比0.5%と2か月ぶりに上昇となって、対個人サービスの動きを支えた。
生活必需的、インフラ的業種が、7月の上昇寄与業種として並んでいたことから分かるように、個人、家計の生活を支えるサービス産業の安定した動きが、全体の動きが小さい中で目立ったということがいえるだろう。
基調判断は据え置き
7月のサービス産業活動指数は、2か月ぶりの前月比上昇となった。上昇幅は、小幅であり、ほぼ横ばいに近い状態である。 3か月連続で前月比低下と、調子のあまり良くない対事業所サービスの低下を、対個人サービス、特に生活必需的性格の強い非選択的個人向けサービスの上昇が補ったという様相だ。業種別の動きからも、同様の動きを伺うことができる。
活動水準としては、前年同月比プラスが連続して続いており、指数値自体も、4月、5月に続いての本年3番目の指数値となった。6月に大きめの低下はあったが、結局は、第3次産業活動指数の動きは、年初からみると緩やかに上昇ということに落ち着いている。
こういった動きを踏まえ、7月のサービス産業(第3次産業)活動指数の基調判断については、「持ち直しの動きがみられる」と据え置いている。
関連情報
2018年7月のサービス産業活動は、前月比0.1%上昇。指数レベルは、本年3位で、比較的高い状態で「ほぼ横ばい」。生活必需的、インフラ的なサービスが下支え。基調判断は、「持ち直しの動き」に据え置き。