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電力先物って何?

2019年9月、日本で電力先物取引が始まりました。開始から4年で取引量は増加し、電力の価格変動リスクの回避に役立つと注目されています。そもそも電力先物(電力先物取引)とは何か、解説します。

電力先物とは?

電力先物とは、電力の先物取引のこと。先物取引とは、将来の一定期日に一定の商品を売る、又は買うことを約束して、その価格を現時点で決める取引です。つまり、電力先物取引とは、将来売ったり買ったりする電力の価格を、事前に決めておく取引です。

電力は、石油・石炭・LNGなど海外から輸入する燃料費が価格に影響します。価格を取引時点で決める電力先物は、電力を売り買いする電気事業者にとって、将来の価格変動リスクを回避するツールといえます。

電力先物はどこで誰が売買する?

日本の電力先物は、日本卸電力取引所(以下、JEPX)の電力を取引対象とし、東京商品取引所(TOCOM)などで取引されています。JEPXの市場価格は日々変動するため、価格を固定し、ビジネスの予見性を高めるため、価格変動リスクの回避機能を持つ電力先物に注目が集まっています。

電力先物の取引は、大手電力会社、発電事業者、小売電気事業者に加え、大口の電力需要家、金融機関、商社、外資企業などの法人も参加することができます。

※現在は法人に限り取引が認められています。

電力先物の活性化に向けて

日本の電力先物の取引量は飛躍的に伸びていますが、2000年代に電力先物市場を創設した欧州では、さらに活用が進んでいます。

経済産業省では、「電力先物の活性化に向けた検討会」で電力先物の活性化に向けた方向性を提唱しました。電力先物市場の裾野を拡げ、より多くの小売電気事業者や大口の電力需要家などの参加を促すため、電力先物の基礎知識やベストプラクティスを共有するなど、市場活性化に向けた取り組みを加速していきます。

経済産業省 商品市場整備室

▶詳しく知りたい
・資源エネルギー庁 エネこれ「電力も「先物取引」?!(前編)~未来の電力を買って価格リスクを抑える」