デジタル技術を活用し、アジアで社会課題を解決する「アジアDX企業」をご紹介!
バス大手「WILLER」が手掛ける東南アジアの公共交通
経済産業省では、国内大企業・スタートアップ企業が、アジアの企業などと連携し、デジタル技術を活用して社会課題を解決するための新産業創造「アジアDX」を推進しています。世界で活躍する「アジアDX企業」を複数回に分け、不定期に紹介していきます!
日本国内で高速バス事業を展開するWILLER(ウィラー)は、地域公共交通の「リ・デザイン」に向けたAIオンデマンド交通※や自動運転を中心とした地域共創に取り組んでいます。また、近年ではASEAN地域においても、都市間バスやAIオンデマンド交通、自動運転など便利で環境に優しい新たな移動サービスの展開を開始しています。
※AIオンデマンド交通:AIを活用しリアルタイムに配車を行い、乗り合いで目的地に送るシステム
バイク大国ベトナムで新たな交通手段を実証
アプリで予約するとバスが来て目的地に。WILLERは、バスによるAIオンデマンド交通「mobi」を日本各地に拡大しながら、ベトナムでもいち早く実証に乗り出しました。
ベトナムはバイク移動の浸透による交通渋滞や大気汚染が深刻化しています。そこでWILLERは、都市間バスの二次交通として、バスによるAIオンデマンド交通サービスを開始。出発地から目的地まで、公共交通でシームレスな移動を実現することで、ベトナムの交通手段の転換を目指しています。これまでにシンガポールやマレーシアでも導入が進んでおり、同じく鉄道やバスの二次交通として活用されています。
これまで当たり前だった不便を解消する
WILLERは、ベトナムで輸送の最適化や物流の効率化の実証にも乗り出しています。2022年に、旅客以外の運送ニーズを模索する交通事業者と、手作業でコストがかかる食料サプライチェーンとを結び付け、大型バスに人と野菜を一緒に載せる貨客混載の実証運行をしました。同社の強みであるバス座席の在庫管理システムを貨物にも転用し、現地バスターミナルの荷受け作業のDXを実現。予約や見積りがオンライン化されるなど、従来は郊外のバスターミナルまで行かないと手続きができなかった発送・受取における利用者の負担軽減と、交通事業者の収益向上が確認できました。
WILLERは今後、東南アジアの複数の国でバスによるAIオンデマンド交通サービスを中心とした公共交通プラットフォームの構築を目指していきます。
アジアDXの挑戦を政府も応援
経済産業省では、国内大企業・スタートアップ企業が、アジアの企業等と連携し、デジタル技術を活用して社会課題を解決するための新産業を創造する「アジアDX」を支援しています。
WILLERの取り組みは、「日ASEANにおけるアジアDX促進事業」(事務局:ジェトロ)などに採択されています。各支援策は経済産業省アジアDXプロジェクトページをご参照ください。
経済産業省 アジア新産業共創政策室
▶この記事で触れた事業
ベトナムでのバスによるルート型AIオンデマンド交通実証事業 概要
ベトナム都市間バスターミナルにおける旅客および貨物輸送(貨客混載)プラットフォームDX事業 概要
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