統計は語る

1月の鉱工業生産は、上昇の反動と工場稼働停止などの影響を受け、全体として前月比マイナス7.5%の低下。基調判断は、「一進一退ながら弱含み」に引き下げ

1月生産は2か月ぶりの前月比低下

2024年1月の鉱工業生産は、季節調整済指数97.6、前月比マイナス7.5%となった。

これまでの生産の動向については、2023年9月は、堅調な自動車工業などの影響により上昇し、10月は、化学工業(除.無機・有機化学工業)などの影響により上昇していたが、11月は、自動車工業や電気・情報通信機械工業、汎用・業務用機械工業などの影響により低下していた。

その後、12月は、汎用・業務用機械工業を中心に多くの業種が上昇したことなどから、全体として上昇していた。

こうした中、1月は、これまでの上昇の反動に加えて、工場稼働停止などの影響を受けて、自動車工業を中心にほとんどの業種が低下したことから、全体として、2か月ぶりに低下した。

なお、マイナス7.5%という前月比での低下幅の水準は、新型コロナウイルス感染症の影響が急拡大していた2020年5月(マイナス8.0%)以来の水準となっている。

14業種が前月比低下、1業種が同上昇

1月の鉱工業生産を業種別にみると、全体15業種のうち、14業種が低下、1業種が上昇という結果だった。

1月は、工場稼働停止などの影響による自動車工業の低下に加えて、これまでの上昇の反動などを受けて、ほとんどの業種が低下したことから、全体として低下した。

低下寄与度の最も大きかった自動車工業は、普通乗用車や駆動伝導・操縦装置部品などが主な低下要因となっている。これらについては、工場稼働停止などの影響を受けて、低下したものと考えられる。

また、次に低下寄与度の大きかった汎用・業務用機械工業は、一般用蒸気タービンや分析機器などが主な低下要因となっている。一般用蒸気タービンについては、前月に大規模な取引があった反動などを受けて、分析機器については、水準としては高いものの、医療用の受注が減少したことなどから、低下したものと考えられる。

出荷は2か月ぶりの低下

1月の鉱工業出荷は、季節調整済指数96.2、前月比マイナス8.3%と、2か月ぶりの低下となった。

業種別にみると、全15業種が低下となった。

1月は、自動車工業を中心に全ての業種が低下したことなどから、全体として低下した。

低下寄与度の最も大きかった自動車工業は、普通乗用車や駆動伝導・操縦装置部品などが主な低下要因となっている。これらについては、生産と同様の理由により、低下したものと考えられる。

財の需要先の用途別分類である財別出荷指数をみると、生産財が前月比マイナス6.6%、耐久消費財が同マイナス12.6%、資本財(除.輸送機械)が同マイナス8.7%、建設財が同マイナス8.0%、非耐久消費財が同マイナス0.5%と、全ての分野で低下した。

在庫は2か月連続の低下

1月の鉱工業在庫は、季節調整済指数101.0、前月比マイナス1.8%と、2か月連続の低下となった。

業種別にみると、15業種のうち、9業種が低下、4業種が上昇、2業種が横ばいとなった。

低下寄与度の最も大きかった自動車工業は、普通乗用車や普通トラックなどが主な低下要因となっている。

在庫率は2か月ぶりの上昇

1月の鉱工業在庫率は、季節調整済指数106.1、前月比3.9%と、2か月ぶりの上昇となった。

業種別にみると、全15業種が上昇となった。

在庫循環図をみると、2021年第3四半期までは、「在庫積み増し局面」にあり、同年第4四半期から2023年第2四半期までの期間は、「在庫積み上がり局面」に位置していたが、2023年第3四半期には、「在庫調整局面」に達し、2023年第4四半期まで継続していた。そして、2024年第1四半期(速)には、「在庫調整局面」と「意図せざる在庫減局面」の境界線に概ね位置している。

これまで、一部の業種において、積極的に在庫の削減に取り組まれてきたと考えられるが、その効果が顕在化されてきた可能性があり、今後の動向に注視していく必要がある。

1月の生産の基調判断は、「一進一退ながら弱含み」に引き下げ

2024年1月の鉱工業生産は、前月比マイナス7.5%と低下した。

これまでの生産は、2023年9月は、堅調な自動車工業などの影響により上昇し、10月は、化学工業(除.無機・有機化学工業)などの影響により上昇していたが、11月は、自動車工業や電気・情報通信機械工業、汎用・業務用機械工業などの影響により低下していた。

その後、12月は、汎用・業務用機械工業を中心に多くの業種が上昇したことなどから、全体として上昇していた。

こうした中、1月は、これまでの上昇の反動に加えて、工場稼働停止などの影響を受けて、自動車工業を中心にほとんどの業種が低下したことから、全体として低下した。

また、先行きに関しては、企業の生産計画では、2月と3月はともに上昇を見込んでおり、2月の補正値は前月比0.8%の上昇を見込んでいるものの、1月の大きなマイナス幅を取り戻す動きとはなっておらず、ならしてみると一進一退の傾向は継続する中で弱含みの状態にあると考えられる。

こうした状況を踏まえ、鉱工業生産の1月の基調判断については、「一進一退ながら弱含み」に引き下げる。

なお、今後は、世界経済の影響や自動車工業における工場稼働停止の影響などについて、注視していく。

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参考図表集
マンガ「ビジネス環境分析にも使える!鉱工業指数(IIP)」