統計は語る

11月のサービス産業活動は、「生活娯楽関連サービス」を中心に多くの業種が低下。11月時点の基調判断は、「足踏みがみられる」に据え置き

11月の第3次産業活動指数は、前月比低下

11月のサービス産業(第3次産業)活動指数は、指数値100.2、前月比マイナス0.7%と3か月連続の低下となった。

これまでのサービス産業活動は、2023年7月が「運輸業,郵便業」などの堅調などを受けて、8月が「金融業,保険業」などの堅調などを受けて、ともに上昇していたが、9月は、それまでの上昇の反動などを受けて、「生活娯楽関連サービス」を中心に多くの業種が低下したことなどから、全体として低下していた。

その後、10月は、「電気・ガス・熱供給・水道業」を始めとして多くの業種が低下したことなどから、全体として2か月連続で低下していた。

こうした中、11月は、「生活娯楽関連サービス」を中心に多くの業種が低下したことなどから、全体として3か月連続での低下となった。

業種ごとの動向

11月の業種別の動きをみると、11業種中、8業種が前月比低下、3業種が同上昇となった。

11月は、「生活娯楽関連サービス」を中心に多くの業種が低下したことなどから、全体として低下した。

「生活娯楽関連サービス」は、前月比マイナス3.8%と、3か月連続の低下となった。内訳業種では、「飲食店,飲食サービス業」や「宿泊業」などが低下に寄与している。「飲食店,飲食サービス業」については、これまでの上昇の反動や労働力不足による休業・時短営業の影響などを受けて、飲食サービスの消費が抑制されたことなどから、低下したものと考えられる。また、「宿泊業」については、堅調なホテルにおけるこれまでの上昇の反動や、旅館の需要が低調であることなどを受けて、低下したものと考えられる。

『対個人/対事業所サービス』の動向

サービス産業活動指数は、大きく「広義対個人サービス(以下対個人サービス)」と「広義対事業所サービス(以下対事業所サービス)」に分けることができる。

11月は、対個人サービスが、指数値100.3、前月比マイナス0.1%、対事業所サービスが、指数値100.7、同マイナス0.8%となり、ともに低下した。

『製造業/非製造業依存型事業所向けサービス』の動向

対事業所サービスは、製造業の取引先が多いか、そうでないかによって、「製造業依存型」と「非製造業依存型」に分けることができ、それぞれの指数を計算している。

11月は、製造業依存型事業所向けサービスが前月比マイナス1.6%、非製造業依存型事業所向けサービスが同マイナス0.6%となり、ともに低下した。

『非選択的/し好的個人向けサービス』の動向

対個人サービスは、生活必需的な性質で変動が相対的に少ないと考えられる「非選択的サービス」と、選択性が高く所得環境や経済情勢などの影響を受けやすいと考えられる「し好的サービス」に分けられ、それぞれの指数も計算している。

11月は、非選択的サービスが前月比マイナス0.1%、し好的サービスが同マイナス0.4%となり、ともに低下した。

11月時点の基調判断は、「足踏みがみられる」に据え置き

11月のサービス産業活動指数は、「生活娯楽関連サービス」を中心に多くの業種が低下したことなどから、全体として前月比マイナス0.7%と、3か月連続の低下となり、均してみると、引き続き足踏みの状態にあると考えられる。

このため、サービス産業活動指数の11月の基調判断については、「足踏みがみられる」に据え置く。

なお、今後は、物価上昇による取引量への影響などについて、注視していく。

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参考図表集
マンガ「就職にも使える!第3次産業活動指数」