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三陸カキの濃厚さにびっくり!日向坂46富田鈴花さん

三陸直送の魚介類を使った料理を前に笑みがこぼれる日向坂46の富田鈴花さん(東京都新宿区のレストラン「ケラッセ東京」で)

三陸沖は世界有数の漁場として知られ、豊富な種類の魚介類が水揚げされる。どんな楽しみ方があるのか。アイドルグループ日向坂46の富田鈴花さんが、カキやブリなど三陸直送の魚介類を使った料理を味わい、食材や地域の魅力に迫る。

東京のど真ん中で三陸直送の魚介類を使った料理を満喫

富田さんは、福島県双葉町で東日本大震災による被害や現在の様子を取材し、「地元のおいしいものを食べたり、実際に行って観光を楽しんだりするなどして被災地の力になりたい」という思いが強くなったという。

今回、富田さんが訪ねたのは、東京都新宿区のレストラン「ワイン食堂Kerasse Tokyo」 (ケラッセ東京)。シェフの坂東誠さんが三陸食材の良さを発信するねらいで、2018年に開業した。店内に掲げられた黒板には、岩手県の大船渡港に集まる三陸の魚介類など、料理に使われている食材や産地が書かれている。「最近はお肉よりお魚派」を自認する富田さんは、魚介を使ったメニューの数々に興味津々の様子で、坂東さんから説明を受けながら食事を楽しんだ。

富田さんが試食した3品 写真手前が「旬魚のカルパッチョ7種盛り合わせ」

坂東 今日のメニューは、「旬魚のカルパッチョ7種盛り合わせ」、「岩手・三陸から漁師さん直送!一年中、生で味わえる三陸牡蠣メニュー!」、「大船渡港 × 三陸チョッピノ」の3品です。

富田 カルパッチョはお魚がすごく分厚くておいしそうですね。さっそく、いただきます。エビがプリプリですね。口に入れた瞬間から濃厚な味が広がります。ブリも大好きです。サーモンも鮮やかなオレンジ色ですね。

「おいしそうですね。いただきます」と食事を楽しむ日向坂46の富田鈴花さん

坂東 三陸はカキの名産地です。三陸のカキは大きくて身がしっかりしているのが特徴です。カキフライや生ガキをはじめ、魚醬をかけて焼いた「魚醬焼き」、ハーブとニンニクとバターで味わう「ブルゴーニュバター焼き」、ウニと生クリームをたっぷり使った「ウニクリーム焼き」、生ハムやドライトマト、バジルと合わせた「地中海焼き」を用意しました。

新鮮なカキの魅力を引き出した「岩手・三陸から漁師さん直送!一年中、生で味わえる三陸牡蠣メニュー!」

富田 カキといえば、みなさんが生ガキを召し上がっているイメージが大きかったのですが、こんなにもたくさんの食べ方があるんですね。

坂東 カキは殻を持ってフォークを使って食べてください。プランクトンをたっぷり摂取した三陸南部の雄勝湾育ちのカキは大振りなのが特長です。カキは白ワインに合うので、当店では、岩手県内のワイナリーの白ワインをそろえています。
富田 「魚醬焼き」は魚醬のうまみが香ばしいです。みなさん、カキと一緒にワインをオーダーされるのですね。ワインも三陸産なんて素敵ですね。ワインに詳しいわけではないですけど、このカキとワインは絶対に合うような気がします。私もワインを楽しめるような大人の女性になりたいです。

旬な魚介をぜいたくに使った看板メニュー、チョッピノ 「家でもつくってみたい」

坂東 3品目のチョッピノは、当店の看板メニューです。トマトとハーブでいろんな魚介を煮込んで作ります。三陸は魚種が多いので、その時に手に入る魚を使って三陸の旬を味わってもらっています。

富田 とてもいい香りがします。冬の時期は、どんなお魚が入っているんですか?

三陸直送の魚介類をぜいたくに使った「大船渡港×三陸チョッピノ」

坂東 冬の始まりでいうとカレイです。カレイは種類が多く、5、6種類は入荷しています。それぞれ味も大きさも違います。定番のブリも入っていますよ。ブリは1年中とれますが、冬のブリは、脂がのっています。あとは、宮城県女川町の銀鮭ですね。このほか、カキ、アサリ、エビ、ワタリガニを使っています。魚介のうまみをたっぷり感じていただければうれしいです。

富田 チョッピノ、めちゃめちゃおいしいです。ブリはしっかり脂がのっていて、エビもプリプリして歯ごたえがありますね。貝類もたくさん入っています。一皿でたくさんの種類の海のおいしさが楽しめますね。このメニューは、どんなきっかけで生まれたのですか。

坂東 チョッピーノはアメリカのサンフランシスコで地元の人に親しまれているメニューです。イタリアから移住した漁師さんたちから広まりました。アメリカに留学した時に現地で食べてとてもおいしかったので、三陸の魚介を使ってつくれたらいいなと始めました。

富田 カキは、とてもミルキーで味がしみこんでいておいしいです。こんなに濃厚で味がしっかりついているカキを食べたのは初めてです。日向坂46にはカキが好きなメンバーが多いのですが、私もカキの魅力に気付きました。おいしくて自宅でもチョッピノをつくってみたくなりました。

坂東 簡単ですよ。トマト煮をイメージしてください。タマネギ、ニンニク、香味野菜とカニを炒めた後、トマト缶を入れて魚介類と一緒に煮込みます。貝類、甲殻類とお魚の3種類が入っているとうまみが増します。カニを香ばしい香りが出てくるまで炒め、煮込んでからじっくり冷やすのもポイントです。

「いつか三陸海岸沿いをドライブしたい」 絶景に思いをめぐらせる

「おいしいものがたくさんある三陸に惹かれます」と話す日向坂46の富田鈴花さん

富田 私も煮物を作る時に1回、冷ますようにしていますが、同じように冷ますこともポイントだったのですね。
東北地方でいうと、日向坂46のライブのために仙台までは行ったことがありますが、こんなにたくさんおいしいものがある三陸に惹かれます。運転免許を取得して1年半が経つので、自分で車を運転して行きたいですね。父がバイクでいろいろなところを旅行しているのですが、三陸では、断崖が連なる北山崎(岩手県田野畑村)をすすめられました。

坂東 三陸はリアス式海岸で、ダイナミックな海岸線が続きます。トンネルを抜けると目の前に海が広がるイメージです。道の駅を目的地の一つとしてドライブコースを組むと、景色とともに地域の食材を楽しめますよ。岩手県内では釜石や宮古などの道の駅で新鮮な魚介類が手に入りますし、買った後、すぐに焼いて食べることができる場所もあります。

富田 すごいですね。三陸のドライブでは、クーラーボックスも持っていった方がいいですね。今から楽しみです。三陸の食材を中心にレストランで使われるようになったのはいつからですか?

坂東 東日本大震災の後、料理教室を開催するため岩手県住田町を訪ね、三陸の食材の素晴らしさを知りました。住田町に2年間暮らして地域の食材を使ったレストラン「すみたのだいどころKerasse」を開業し、東京でも、三陸産の食材の良さを伝えたいと思って開業したのが「ケラッセ東京」です。

富田 そうだったんですね。私は小学生の時に東日本大震災を経験しました。神奈川県でも震度5強の揺れでした。以前、テレビ番組の取材では、震災当時のままの状態で残されている福島県双葉町の福祉施設に行きました。震災や原発事故が起こってしまった後、自分たちに何ができるかを考えています。被災地のおいしいものを食べたりして少しでも力になれたらいいなということを強く感じた1日でした。行ってよかったですし、しっかり見ておくべきものだと思いました。

坂東 私は青森県出身ですが、同じ東北地方でも岩手や宮城のことは詳しくは知りませんでした。三陸はおいしい食材の宝庫ですが、地元の人にとっては当たり前にあるものなので、すばらしさに気付きにくい面もあるようです。

富田 地元出身ではないシェフが三陸の食材の魅力を発信しているのをお聞きして、神奈川県出身の私も少しでも力になれたらいいなと思いました。

坂東 東日本大震災から10年以上が経ちました。被災地のことを忘れずにいてほしいですね。被災地を支える活動を継続していくことが大切だと思います。

富田 私も自分にできることとして、三陸の食材の魅力をもっと多くの人にお伝えできるように頑張りたいです。多くの人に現地に足を運んで食べていただきたいです。「こんなにおいしいものを食べなきゃ損だぞ」ということから伝えていきたいですね。

「三陸の食材の魅力を伝えていきたいです」と日向坂46の富田鈴花さん

富田鈴花(とみた すずか)さん
女性アイドルグループ・日向坂46のメンバー。2001年生まれ。神奈川県出身。2017年に日向坂46の前身である、けやき坂46の追加メンバーオーディションに合格。日向坂46の2期生メンバーに。

 

三陸食材の魅力をさまざまな形で発信する「ケラッセ東京」のシェフ、坂東誠さん

坂東誠(ばんどう まこと)さん
青森県出身。カリフォルニア州立モントレー・ペニンシュラ短期大学卒。三陸から直送される鮮魚と岩手ワインにこだわる「ワイン食堂 ケラッセ東京」シェフ。「すみたのだいどころケラッセ」(岩手県陸前高田市)など他の店舗のプロデュースを全国で手掛ける。

「ワイン食堂 ケラッセ東京」