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デジタル技術を活用し、アジアで社会課題を解決する「アジアDX企業」をご紹介!

マレーシアの州政府のプロジェクトに。子どもの発達検査アプリの「トイエイト」

幼稚園や病院で導入が進むトイエイトの発達検査アプリ

経済産業省では、国内大企業・スタートアップ企業が、アジアの企業等と連携し、デジタル技術を活用して社会課題を解決するための新産業創造「アジアDX」を推進しています。世界で活躍する「アジアDX企業」を複数回に分け、不定期に紹介していきます!

2020年に設立された東京都品川区のトイエイトは、スマートフォンを用いて、子どもの理解力や言語能力、運動能力などの発達段階を検査するアプリを開発しています。現在、事業をマレーシアの州政府のプロジェクトとすべく調整を進めています。

マレーシアで発達検査の間口を広げる

マレーシアでは、発達検査の制度や発達支援の専門家が不足しており、日本に比べて子どもが発達検査を受けることが難しい状況です。トイエイトが開発したアプリは、手軽に発達段階を調べることができ、価格も通常マレーシアで受けられる発達診断の10分の1程度で利用できることから、発達検査の間口を広げるチャネルとして期待されます。

スマホゲームの要領で検査が進む。検査完了率は90%を超える

システム開発を支えた専門家・政府機関との連携

アジア地域での事業展開にあたっては、現地の人々との連携が大きな推進力の一つ。同社CEOの石橋正樹氏も、「現地のキーパーソンをいち早く見つけることが重要」と言います。日系企業は、現地企業と比べて、現地の企業や専門家と接触する機会が限定的な場合が多いです。そうした中でも、キーパーソンを見つけ、一人でも協力を仰ぐことができれば、現地の人々からの理解や信頼を得たり、事業の展開を速めたりしやすくなります。

トイエイト社では、並行して、日本の政府系機関が提供する支援策を事業フェーズごとに活用してきました。初期システムの開発では、「J-Bridge」(事務局:ジェトロ)のサポートを受け、マレーシアのマラヤ大学、サンウェイ大学と連携。さらに、「日ASEANにおけるアジアDX促進事業」(事務局:ジェトロ)として、マレーシアの国立児童発達センター (NCDRC) とともに、国公立幼稚園で試験的にシステムを運用、強化しました。

トイエイト社メンバーと専門家チーム

州政府プロジェクトで事業のインフラ化へ

同社では、これまで収集した9千件を超えるデータから、子どもたちの発達に関わる各種能力の程度を示す標準値を年内に発表する予定です。これはASEAN域内で初の試みとなります。さらに発達検査の義務化に向けたプロジェクトをマレーシアのサラワク州政府と進めています。

今後は、国内外の企業と連携し、他者からの呼びかけに対する子どもの反応や作業中の表情、しぐさなどを分析。利用者の発達状況に応じて最適化したプログラムを提案できるシステムの開発を進めていく予定です。また、既存の検査システムを改良してデータの取得領域を広げ、取得したデータを活用して早期介入プログラムの自動化開発を推進させるなど、新たなビジネスを検討しています。

国内最大の医療クリニックチェーン、Qualitas Group と業務提携

アジアDXの挑戦を政府も応援

経済産業省では、国内大企業・スタートアップ企業が、アジアの企業等と連携し、デジタル技術を活用して社会課題を解決するための新産業を創造する「アジアDX」を支援しています。詳しくは、経済産業省アジアDXプロジェクト▷ページをご参照ください。

経済産業省 アジア新産業共創政策室

▶この記事で触れた事業
・経済済産業省 アジアDXプロジェクト
・ジェトロ J-Bridge
・ジェトロ 日ASEANにおけるアジアDX促進事業

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▷トイエイト公式HP