60秒早わかり解説
ロボット活用へ向けた性能評価の支援ツール
福島に国内唯一の試験場
近年、老朽化した橋梁やダムなどの社会インフラが急増している中、少子高齢化による人材の不足が懸念されている。人の代わりに現場の被害状況等を調査するロボットへの期待が高まっており、課題解決に向けたロボットの社会実装加速化が期待されている。
効率的に性能評価を行うためには
インフラ点検や災害対応に活用されるロボットの早期実装に向けた開発や実証が活発に行われているが、ロボットの試作機をいきなり現場へ持っていき性能評価を行うことは、開発の手戻りが発生し非効率となる。現場での性能評価を行う前に、開発者がロボットの性能を容易に評価できる現場環境を模擬した実証施設の整備と、性能評価試験手法の策定が求められているのだ。
現場の模擬環境での検証を容易に
実証施設としては、福島イノベーション・ コースト構想に基づき「福島ロボットテストフィールド」の整備を進めており、ロボットによるインフラ点検と災害対応の実証試験のための国内唯一の試験場となる。このテストフィールドの整備により、トンネル、 橋梁、プラント、市街地、道路等の構造物の中で、想定されるほぼ全ての災害環境、老朽化状況を再現することが可能となる。
効率化のための共通の指針
性能評価試験手法の策定については、福島ロボットテストフィールドなどの実証施設で行われる、ロボットの基盤的性能の評価試験手法等を示した「性能評価手順書」を取りまとめた。これは、ロボット技術、インフラ点検業務、災害対応業務の分野の有識者による審議結果を反映しており、開発者がロボットの性能を容易に確認し開発を効率的に進めることが期待される。また、点検業者にとっても、客観的なロボットの性能比較が期待できる。
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