60秒早わかり解説

“ロボット配送”もうすぐあなたの街でも?

2023年3月末に経済産業省の構内でメディア向けにお披露目された、可愛らしいフォルム・表情の8台のロボットたち。物流拠点や小売店舗から荷物を運んでくれる「自動配送ロボット」ですが、あなたの街で見かける日も、そう遠くないかもしれません。

届出制のもとで社会実装フェーズへ

2023年4月に改正道路交通法が施行され、一定の大きさや構造の要件を満たす自動配送ロボットは、届出制のもとで公道を走行できるようになりました。

届出という比較的簡易な手続きであることや、産業界が主導して整備したガイドラインに基づき安全に運行・サービス提供が行われることが特徴です。

公道走行のための手続きの流れ

既に地域での活用がスタートしている地域も

パナソニックホールディングスは、神奈川県藤沢市の住宅街で、新しい制度に基づいたロボットの走行を既に開始しています。

藤沢市では2020年から同社が実証実験を継続していましたが、ロボット4台を1人のオペレーターが同時に遠隔監視を行うための技術開発や、オンラインモールで購入できる地元のこだわりの商品などの定期配送サービスを行っています。

また、4月には西村経済産業大臣が同社のロボットを視察。「ラストワンマイル配送での大きな力になることを期待したい、また、安全性やルールに関する理解醸成も進めていかなければならない」と話しました。

ロボットが安全に停止する様子を視察する西村大臣

「物流のラストワンマイル」を救える存在に

今後の更なる普及のためには、技術開発や運用効率化といった供給側からのアプローチに加え、「自動配送ロボットを活用してみたい」といった声が多く挙がるような需要側の盛り上がりも必要です。官民の関係者間でとりまとめたコスト低減の見通しでは、市場規模の拡大や量産化について触れられており、法施行をきっかけに活用が広がり、いかに社会に受け入れられる存在になれるかが重要です。

経済産業省では、自動配送ロボットを活用した配送サービスの担い手の裾野を拡げるため、「活用の手引き」を今年度策定する予定です。また、地域での活用に関し随時ご相談をお受けしていますので、ご関心のある自治体・商工団体・事業者などの皆様は、是非一度ご相談ください。

自動配送ロボットのコスト低減の見込み

経済産業省 物流企画室

【関連情報】

関連制度と必要な手続きの概要(経済産業省)

2023年4月からロボットが公道を走行します!~自動配送ロボットに関するメディア向けイベントを開催しました~(経済産業省ニュースリリース)