今月のヒトコト

「わかりやすい」は大事です

 子どもの頃、夏休みの最終日に家族総出で妹の宿題を片付けたことがあります。私は「身近な危険に注意を促すポスターの作成」を担当。全学年に同じ宿題が出ていたので、自分のものとはデザインを変えて作成しました。
 適当に構成を考えて1時間で作成した妹用のポスターと、キャッチコピーや絵の内容までこだわって丁寧に作成した自分のポスター。美術の先生に選ばれ展覧会で飾られたのは、なんと妹の方でした。ショックでした。

 妹用に作ったポスターは、大きなフライパンとガスコンロで燃え上がる火の絵に「火の用心」という(なんのひねりもない)コピーを大きく入れたもの。工夫したのは「火」の漢字に炎のイラストを入れたくらい。「どこかにありそうなデザインだな」と思いながら、妹に渡したことを覚えています。自分のデザインはもう覚えていませんが、まさかの(妹の)受賞で、子供心に、「多くの人に何かを伝える時には、こだわりを持って表現するより、わかりやすいことが大事なのだな・・・」と学んだ出来事でした。

 経済産業省の政策も似たところがあります。精魂込めて世に送り出す政策や制度、携わった職員や担当課室は誰よりも強い思いやこだわりがありますし、誤解のないよう、詳細を正確に説明することが大事です。でも、政策を多くの人に知ってもらう時には、「わかりやすい」ことも、大事です。
 このMETI Journal Online(メティジャーナル オンライン)も、「わかりやすい」を優先するよう、日々試行錯誤しています。正確さを優先して、「一定の条件の下で」とか「ただし○○についてはこの限りでない」と言いたくなりますが、グッとがまん。
 まだまだ修行中ですが、経済・産業に関わる幅広い方々に見ていただけるよう、日々精進していきます。

 9月の政策特集は、「知財で挑むESG経営」。
 知財は、競争力の源泉として重要な経営資源です。知財への投資とESG経営の実践は、企業価値の向上に繋がる企業活動である点で共通しています。しかし、日本では、知財の対応は知財部門に任せておけば良いとの意識が強く、経営層と知財部門との情報共有が十分になされていないという課題があります。

 特集では、ESG経営のE(環境)、S(社会)、G(ガバナンス)をそれぞれ知財の視点から見てみます。経営層の関心の強いESG経営に、知財部門の取り組みが貢献した事例を紹介することで、知財部門と経営層のコミュニケーションの活性化の一助となることを期待しています。

 余談ですが、ポスターの思い出について、人の絵で表彰された妹もさぞかし複雑だっただろうと「あの時どんな気持ちで受賞したのか」と取材したところ、「普通に嬉しかった」と言っていました。メンタルが強いのも、生きる上で大事なことです。

経済産業省広報室/METI Journalオンライン編集チーム

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